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後味爽快な良質ファンタジーも ― 「スラムドッグ$ミリオネア」レビュー

映画レビュー 記事:2009.01.20

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けたたましく鳴り続ける音楽、動きを止めないカメラ、細かく刻まれたカット。ダニー・ボイルらしいケレン味たっぷりの演出で描かれるのは、究極のピュアなラブストーリー。格差社会、強い連帯性、目まぐるしい変化といった今日のインドを語る上で欠かせないエッセンスを盛り込みながら、どんなに辛い境遇にあっても生きることを肯定してくれる後味爽快なファンタジーだ。

ただし、緻密に計算された構成による語り口の良さは、逆にこの物語の持つ”つくりもの”臭を助長する。主人公の機転の利く答弁や欧米風の身のこなし、ややステレオタイプな登場人物たちの性格付けなど、違和感を覚える部分も少なくない。まぶしいほど純粋な登場人物たちの物語だけに、作り手の作為がわずかでも混入すると、余計にその濁りが目立ってしまう。”上手い”と唸らせるよく出来た映画だが、このファンタジーを素直に受け入れられるかどうかは見方が分かれそうだ。


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