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[Weekend Report] ザ・ロック主演のファンタジーが首位デビュー！

「ウォッチメン」の2週連続首位は堅いとの大方の予想を覆して首位デビューを飾ったのは、ドウェイン・”ザ・ロック”・ジョンソン主演のファンタジー・アクション「Race to Witch Mountain」。ザ・ロック扮するタクシードライバーが、ひょんなことから地球侵略を企む宇宙人と対峙することになる……というSFモノだが、配給がディズニーで、ロックとともに宇宙人と戦うのが2人の家出少年という設定からして、ターゲットの客層は完全にファミリーであると見ていい。実際、SFジャンルでは過去あまり実績を残していないロックながら、最初の3日間の興行成績は3187館の公開で2400万ドル超と立派なもの。これは、トータル興収9000万ドルを稼いだロック単独主演の前作「ゲーム・プラン」を上回る数字。コメディー映画に挑戦してファミリー層の支持を得たロックが、同じ客層に同じようにアピールした結果と見るのが正解か。好景気に沸く今のBoxOfficeなら、トータル1億ドル超えも十分に可能。ロックのスターパワーはさらに増すことになりそうだ。

一方、前週トップの「ウォッチメン」は早くもトップを明け渡す苦しい展開。前週比67％ダウンと大きく数字を落としており、トータル2億ドル超えは絶望的となった。やはり懸念された客層の狭さが顕著に現れる結果となっており、この作品の公開を待って熱狂的なBUZZを生み出していたのは、一部の熱狂的な男性客だけだったことが判明してしまった。この分だと北米だけの興収では1億5000万ドルとも言われる巨額の製作費を回収するのは難しそうだ。

3位の「The Last House on the Left」は、ホラー映画界の巨匠ウェス・クレイヴンのデビュー作として名高いカルト作のリメーク。我が子を誘拐し辱めた犯人たちに復讐せんと誓う親の憎悪を描いた作品だ。2401館の公開で3日間興収は1400万ドルとなかなかの興行を見せており、製作費はすぐにでも回収できそうな気配。ブームの兆しを見せているホラー映画リメークの波は今後もしばらく続きそうだ。

以前快進撃を続ける20世紀フォックス配給の「Taken」は、今週も上映館を158館減らしながら興収はわずか10減にとどめるハイアベレージな興行を展開。トータル興収を1億2600万ドルに伸ばしている。実はこの作品、アメリカでの公開を待たずして海外で封切られており、残す主要マーケットは日本だけという状態になっている。
日本では秋の公開が予定されているが、アメリカでのヒットの流れにうまく乗ることが出来るかどうか。早くも続編の脚本製作も進行中とのことで、ドル箱シリーズ化も期待される。

10位に初登場は「スラムドッグ＄ミリオネア」の大成功で勢いに乗るフォックス・サーチライトが贈る青春コメディ「Miss March」。長い昏睡状態から冷めたら、幼馴染のガールフレンドがプレイボーイ誌のミス3月に選ばれていて……というプロット。1742館の公開で240万ドルと興行的には惨敗。当然批評家にも相手にされておらず、このまま坂道を転げ落ちていく運命のようだ。

香川照之、小泉今日子主演の日本映画「トーキョーソナタ」が2館で限定公開され、アベレージ1万4000ドルとなかなかのヒットを記録。批評家からの反応もよく、高いレベルでの成功を収めた。脚本を執筆したマックス・マニックスは、4月25日から日本公開される「レイン・フォール／雨の牙」で監督デビューを果たしている。主演は椎名桔平、ゲイリー・オールドマン、長谷川京子。

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