【最重要】トロント国際映画祭ラインナップ発表!
アカデミー賞レースにおいて、年末年始の批評家賞以上に重要視されているのがトロント国際映画祭だ。同映画祭の観客たちは非常に目が肥えており、観客賞に選ばれた作品はアカデミー賞に絡む確率が高い。昨年も受賞作「プレシャス」が作品賞ほか6部門にノミネートされ、脚色賞、助演女優賞を受賞。一昨年は作品賞受賞の「スラムドッグ$ミリオネア」が選出されている。
各配給会社もアカデミー賞狙いの作品をトロントでお披露目するケースが増えており、とりわけ英語圏の作品は注意が必要だ。
最も注目を集めそうなのが、カズオ・イシグロの傑作小説を映画化した「わたしを離さないで」。アカデミー賞向きの素材で、キーラ・ナイトレイ、キャリー・マリガンら会員のお気に入り女優のほか、新スパイダーマンとしても話題のアンドリュー・ガーフィルドらツボを抑えたキャスティングも魅力だ。
大物監督たちの新作も目白押し。カンヌでは無冠に終わったが、現地での評判はすこぶる高かったマイク・リーの「Another Year」、同じくカンヌ組のイニャリトゥ新作「Biutiful」、ダーレン・アロノフスキー「Black Swan」、ロバート・レッドフォード「The Conspirator」、ジョン・マッデン「The Debt」、ジュリアン・シュナーベル「Miral」、スティーヴン・フリアーズ「Tamara Drewe」、マイケル・ウィンターボトム「The Trip」、そしてウディ・アレンの「You Will Meet a Tall Dark Stranger」など。カンヌ、ヴェネチアでも不可能な豪華顔ぶれが今年も実現した。
他にも監督処女作「ゴーン・ベイビー・ゴーン」が好評だったベン・アフレック新作「The Town」や、フィリップ・シーモア・ホフマン、トニー・ゴールドウィン、エミリオ・エステベス、デヴィッド・シュワイマーら俳優出身監督の作品が多数エントリーしているのも見逃せない。フランスからはギョーム・カネの監督作も出品されている。
個人的に注目したいのは、「ブラザー」のオリジナルである傑作「ある愛の風景」などで知られるデンマークの女流監督スザンネ・ビア新作「In a Better World」、傑作アニメ「ベルヴィル・ランデブー」のシルヴァン・ショメ新作「The Illusionist」、「ゾンビランド」でも大活躍のエマ・ストーンがコメディエンヌとしての才能を開花させていると前評判の高い「Easy A」など。
いずれにせよ、英語圏の作品が観客賞を受賞した場合、アカデミー賞に直結する可能性が非常に高く、観客賞の行方には注目が必要だ。
L’ Amour fou (監督:Pierre Thoretton)
Another Year (監督:マイク・リー)
The Bang Bang Club (監督:スティーヴン・シルバー)
Barney’s Version (監督:リチャード・J・ルイス)
Beginners (監督:マイク・ミルズ)
The Big Picture (監督:エリック・ラティゴ)
Biutiful (監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ)
Black Swan (監督:ダーレン・アロノフスキー)
Blue Valentine (監督:Derek Cianfrance)
Brighton Rock (監督:ローワン・ジョフィ)
リミット (監督:ロドリゴ・コルテス)
Casino Jack (監督:ジョージ・ヒッケンルーパー)
CIRKUS COLUMBIA (監督:ダニス・タノヴィッチ)
The Conspirator (監督:ロバート・レッドフォード)
Conviction (監督:トニー・ゴールドウィン)
The Debt (監督:ジョン・マッデン)
Dhobi Ghat (監督:キラン・ラオ)
Easy A (監督:ウィル・グラック)
Fire of Conscience (監督:ダンテ・ラム)
Henry’s Crime (監督:Malcolm Venville)
The Housemaid (監督:イム・サンス)
I Saw the Devil (監督:キム・ジウン)
The Illusionist (監督:シルヴァン・ショメ)
In a Better World (監督:スザンネ・ビア)
It’s Kind of a Funny Story (監督:アンナ・ボーデン)
Jack Goes Boating (監督:フィリップ・シーモア・ホフマン)
Janie Jones (監督:デヴィッド・M・ローゼンタル)
The King’s Speech (監督:トム・フーパー)
L.A. Zombie (監督:ブルース・ラ・ブルース)
The Legend of Chen Zhen (監督:アンドリュー・ラウ)
Little White Lies (監督:ギョーム・カネ)
Lope (監督:アンドルーチャ・ワディントン)
Love Crime (監督:アラン・コルノー)
Made In Dagenham (監督:ナイジェル・コール)
Miral (監督:ジュリアン・シュナーベル)
Mysteries of Lisbon (監督:ラウル・ルイス)
わたしを離さないで (監督:マーク・ロマネク)
Norwegian Wood (監督:トラン・アン・ユン)
Outside the Law (監督:ラシッド・ブシャール)
Peep World (監督:バリー・W・ブラウスタイン)
Potiche (監督:フランソワ・オゾン)
Rabbit Hole (監督:ジョン・キャメロン・ミッチェル)
Score: A Hockey Musical (監督:マイケル・マッゴーワン)
A Screaming Man (監督:マハマット=サレー・ハルーン)
Stone (監督:ジョン・カーラン)
Submarine (監督:リチャード・アヨエイド)
Tamara Drewe (監督:スティーヴン・フリアーズ)
THAT GIRL IN YELLOW BOOTS (監督:Anurag Kashyap)
The Town (監督:ベン・アフレック)
The Trip (監督:マイケル・ウィンターボトム)
Trust (監督:デヴィッド・シュワイマー)
The Way (監督:エミリオ・エステベス)
West is West (監督:Andy De Emmony)
You Will Meet a Tall Dark Stranger (監督:ウディ・アレン)