10位「LEGO®ムービー」
レゴとは何ぞや?突き詰めれば創造性とは何ぞや?という問いにまで発展する子供向けを装った大人向け映画。ラストのある展開は驚きとともに号泣必至。失った純真の分、泣かされます。
9位「ある過去の行方」
一切のアドリブを許さないというアスガー・ファルハディ演出はなるほど、細部まで示唆に満ちている。しかし同時にその場で苦悩し、足掻く人間たちの息吹が生々しく伝わる不思議な映画。
8位「物語る私たち」
映画全体を貫くある仕掛けに心底驚く。この仕掛けはすなわち、物語を語るという行為そのものに対する問いかけであり、語り部たる人間の奇妙な性質をも想起させる。その着眼、考察に脱帽。
7位「6才のボクが、大人になるまで。」
12年間にわたってある家族の“フィクションのドラマ”を描くという途方もない発想と、それを成し遂げた実行力。結果、リアルと虚構が入り交じる初体験の映画が誕生した。
6位「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」
ヒーローの魅力は躍動する四肢にあり!アベンジャーズの中でも超人度が薄いキャップが最適な舞台で最高のパフォーマンスを披露する。マーベル史上最高評価。
5位「ラッシュ/プライドと友情」
レース映画史上最高に巧いスピード表現に五感を、そして実話を巧妙に操った多感な物語に涙腺を刺激される。毀誉褒貶激しいハリウッド映画だが、この技術力にはぐうの音も出まい。
4位「インターステラー」
CG氾濫時代にいかにリアルを創造するかという難題への挑戦は、映画の中で描かれるフロンティア精神にもつながるノーランの気概。映画というメディアのあり方さえ問う野心に素直に拍手。
3位「her 世界でひとつの彼女」
1度目は劇場、2度目はイヤホン+スマホ鑑賞。人間のコミュニケーション欲求を頭で考察した1回目も、サマンサのハスキーボイスを五感で受け取って疑似恋愛した2回目も堪能。
2位「アメリカン・ハッスル」
実話ベースのコン・ムービー。制約も多く、テンポの良さが第一に求められる素材のはずが、この監督にかかれば異次元の人間ドラマに昇華される。この歪(いびつ)さが何よりも魅力!
1位「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」
コーエン兄弟が現代のモーツァルトを描く映画は、クリエイティビティを全肯定する力強い応援歌。キャリー・マリガンの毒づきは最高。