「マッド・マックス/怒りのデス・ロード」がナショナル・ボード・オブ・レビューを制してオスカー戦線に名乗り!!
賞レースシーズンの開幕を告げるナショナル・ボード・オブ・レビュー各賞が発表。
今年、スタートダッシュを決めたのはサマーシーズンに公開され世界中で熱狂的な信者を生んだ「マッド・マックス/怒りのデス・ロード」だった。批評家賞には不向きなジャンルの作品という不利を克服しての受賞には価値があり、このまま賞レースを席巻する可能性も出てきた。ただし、近年のナショナル・ボード・オブ・レビューは独自の道を歩き始めているフシもあり、昨年の受賞作「アメリカン・ドリーマー/理想の代償」はアカデミー賞ではきれいに無視されるという結果に終わっている。とはいえ、この10年で見ればアカデミー賞作品賞ノミネート率は90%で、うち2本(「スラムドッグ$ミリオネア」「ノーカントリー」)は受賞を果たしている。「~怒りのデス・ロード」は少なくとも作品賞を戦うだけの資格を得たとみていいだろう。
監督賞、主演男優賞を受賞した「オデッセイ」が次点の評価。特にいまだオスカー無冠のリドリー・スコットにとって大きなチャンスが回ってきたといえそうだ。自身が得意とするSFジャンルで初のオスカー受賞が期待される。マット・デイモンも主演男優賞部門で大きく躍進。下馬評の高いレオナルド・ディカプリオ(レヴェナント 蘇えりし者)がまだスクリーニングの関係で票が集まりにくい状況であることは差し引く必要はあるが、堂々のコンテンダーとして浮上したと言ってよさそうだ。
助演男優賞を受賞したのはまさかのシルベスター・スタローン(クリード チャンプを継ぐ男)。「ロッキー」シリーズのスピンオフという時点で誰もが地雷と思ったに違いない企画が、よもやこれほどの好評を得てオスカー戦線に参戦するとは。自身のキャリア出自となる役柄でオスカー初受賞となれば話題性十分だ。
他、クエンティン・タランティーノ監督新作「The Hateful Eight」も助演女優賞、脚本賞を受賞するなど高評価。前作「ジャンゴ 繋がれざる者」に負けない作品に仕上がっていそうで、オスカー戦線でも存在感を発揮することになりそうだ。
■作品賞
★マッド・マックス/怒りのデスロード(監督:ジョージ・ミラー)
Next9(アルファベット順)
ブリッジ・オブ・スパイ (監督:スティーヴン・スピルバーグ)
クリード チャンプを継ぐ男 (監督:ライアン・クーグラー)
The Hateful Eight (監督:クエンティン・タランティーノ)
インサイド・ヘッド (監督:ピート・ドクター)
オデッセイ (監督:リドリー・スコット)
Room (監督:レニー・エイブラハムソン)
ボーダーライン (監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ)
Spotlight (監督:トーマス・マッカーシー)
ストレイト・アウタ・コンプトン (監督:F・ゲイリー・グレイ)
■インディペンデント映画トップ10 (アルファベット順)
ベルファスト71 (監督:ヤン・ドマンジュ)
45 Years (監督:アンドリュー・ヘイ)
Cop Car (監督:ジョン・ワッツ)
Ex Machina (監督:アレックス・ガーランド)
Grandma (監督:ポール・ウェイツ)
イット・フォローズ (監督:デヴィッド・ロバート・ミッチェル)
James White (監督:ジョシュ・モンド)
Mississippi Grind (監督:アンナ・ボーデン、ライアン・フレック)
Welcome to Me (監督:シラ・ピーヴン)
While We’re Young (監督:ノア・バームバック)
■監督賞
★リドリー・スコット (オデッセイ)
■主演男優賞
★マット・デイモン (オデッセイ)
◆主演女優賞
★ブリー・ラーソン (Room)
■助演男優賞
★シルベスター・スタローン (クリード チャンプを継ぐ男)
■助演女優賞
★ジェニファー・ジェイソン・リー (The Hateful Eight)
■アンサンブル演技賞
★The Big Short
■ブレイクスルー演技賞
★エイブラハム・アター (ビースト・オブ・ノー・ネイション)
★ジェイコブ・トレンブレイ (Room)
■新人監督賞
★ジョナス・カーピナーノ (Mediterranea)
■脚本賞
★クエンティン・タランティーノ(The Hateful Eight)
■脚色賞
★ドリュー・ゴダート(オデッセイ)
■アニメーション映画賞
★インサイド・ヘッド
■外国語映画賞
★サウルの息子 (ハンガリー)
Next5 (アルファベット順)
グッドナイト・マミー (オーストリア)
Mediterranea (フランス)
あの日のように抱きしめて (ドイツ)
The Second Mother (ブラジル)
ザ・トライブ (ウクライナ)
■ドキュメンタリー映画賞
★Amy
Next5(アルファベット順)
Best of Enemies
The Black Panthers: Vanguard of the Revolution
The Diplomat
Listen to Me Marlon
ルック・オブ・サイレンス
■スポットライト賞
★ボーダーライン
■表現の自由賞
★ビースト・オブ・ノー・ネーション
Mustang