My Blueberry Nights
(香港)
監督:ウォン・カーウァイ
出演:ノラ・ジョーンズ、ジュード・ロウ、レイチェル・ワイズ
時間:1時間51分
映画祭オープニング上映にも選ばれた今年の目玉作品。カーウァイは3年前にも「2046」でコンペ部門参戦を果たしているが、そのときは映画の編集が間に合わず、劇場公開版(完成版)とは違うバージョンで上映されるというハプニングがあった。今回はカーウァイ初となる全編英語台詞による作品。主演をグラミー賞受賞の歌姫ノラ・ジョーンズが務めることも話題だ。果たしてカーウァイ独特の世界観がアメリカに舞台を変えても継承されるのか。はたまた新しい魅力を生み出すのか。
No Country For Old Men
(アメリカ)
監督:ジョエル&イーサン・コーエン
出演:ジョシュ・ブローリン、トミー・リー・ジョーンズ
時間:2時間2分
カンヌの恋人コーエン兄弟の新作が今年もコンペ部門にエントリー。今回は兄弟作品の中でも屈指の人気を誇る「ファーゴ」を髣髴とさせる出来栄えとのことで、91年の「バートン・フィンク」以来2度目のパルムドール受賞に期待がかかる。ちなみに兄弟はこれまでカンヌで監督賞を3度受賞。比較的出来が悪いとされた「レディキラーズ」ですら審査員賞を受賞するなど、その寵愛ぶりには拍車がかかっている感すらある。前評判の高い今回の新作なら2度目のパルムドールあってまったく不思議はない。
Paranoid Park
(アメリカ)
監督:ガス・ヴァン・サント
出演:ゲイブ・ネヴィンズ、ダニエル・リュー
語尺:1時間25分
カンヌ初参戦となった03年の「エレファント」でいきなり監督賞とパルムドールをダブル受賞。続く「ラスト・デイズ」でも無冠ながら高い評価を得たガス・ヴァン・サント監督。ブレイク・ネルソンの同名小説を映画化したこの新作は守衛を誤って殺害してしまう10代のスケートボーダーを主人公に据えたドラマということで、「エレファント」を支持したフランスの映画ファンにまた熱狂的な歓迎を受けそうだ。
Persepolis
(フランス=イラン)
監督:マルジャン・サトラピ&バンサン・パロノー
出演:シアラ・マストロヤンニ、カトリーヌ・ドヌーヴ
時間:1時間30分
イラン人のマルジャン・サトラピが自身のコミックを映像化したモノクロ・アニメーション。おませなイラン人の女の子を主人公に宗教・文化間のギャップを描く。主人公の女の子を演じるのは名優マルチェロ・マストロヤンニの愛娘シアラ。実母であるカトリーヌ・ドヌーヴが母親役で出演することも話題のひとつだ。他、ジーナ・ローランズも出演。アニメ作品がパルムドール受賞となれば、おそらくカンヌ史上初(?)となる快挙。イランの新鋭が快挙を成し得るか。
Promise Me This(Zavet)
(サラエヴォ)
監督:エミール・クストリッツァ
出演:ミキ・マノイロヴィッチ、アレクサンダル・ベルチェク
時間:2時間10分
5度目のコンペ出品となるエミール・クストリッツァ監督によるドラマ。過去、85年「パパは出張中!」、95年「アンダーグラウンド」と2度のパルムドールに輝いている。04年の「ライフ・イズ・ミラクル」は無冠に終わったが、今回の面子ではコーエン兄弟と同等の実績を誇る巨匠。3度目のパルムドール受賞も十分だ。
Secret Sunshine(蜜陽)
(韓国)
監督:イ・チャンドン
出演:ソン・ガンホ、チョン・ドヨン
時間:2時間30分
夫を亡くして故郷の蜜陽に子連れで戻ってきた女性と、女性を暖かく見守る地元のカーセンター社長の間で育まれる愛。韓国の文化観光部長官を務めていたイ・チャンドン監督の5年ぶりとなる新作だ。「オアシス」でヴェネチア監督賞を受賞しているイ・チャンドンだが、カンヌはこれが初参戦。同郷キム・ギドク作品と何かと比較されてしまいそうだが、昨年の「グエムル/漢江の怪物」でフランス人にも顔の売れているソン・ガンホ主演で役者の厚みは1枚上か。
Silent Light
(メキシコ)
監督:カルロス・レイガダス
出演:
時間:2時間22分
『Japon(ハポン)』でカメラ・ドール受賞のレイガダス監督の新作。自殺志願の男が大峡谷を訪れるこの作品で一躍脚光を浴びたレイガダスが次に描く素材は何か。メキシコ出身の映画作家といえばアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ、ギレルモ・デル・トロ、アルフォンソ・キュアロンらが頭に浮かぶが、パルム・ドール受賞なれば彼らに次ぐスター監督の仲間入りも夢ではない。
Tehilim
(フランス)
監督:ラファエル・ナジャーリ
出演:Michael Moshonov、Limor Goldstein
時間:1時間45分
弱冠35歳のナジャーリ監督だが、カンヌのある視点部門に出品された前作「Avanim」がフランス文化賞を受賞。素質の片鱗を見せ付けた。その実績を買われてコンペ部門にエントリーとなった本作はイスラエルの大物俳優を起用した野心作。地元フランスからのエントリーは若手監督作多く、キャリア不足はハンデにならない。いきなりの戴冠あるか。
We Own The Night
(アメリカ)
監督:ジェームズ・グレイ
出演:ホアキン・フェニックス、マーク・ウォールバーグ
時間:1時間45分
ヴェネチアで銀獅子賞受賞の傑作「リトル・オデッサ」のジェームズ・グレイ監督が前作「裏切り者」に続きカンヌ参戦。ロシアン・マフィアの手から父と兄弟を救おうとするニューヨークのクラブ・オーナーを主人公に、グレイ独特の世界が展開される。主人公の兄弟を演じるのは「裏切り者」と同じくホアキン・フェニックスとマーク・ウォルバーグ。ロバート・デュバル、エヴァ・メンデスが脇を固める。
ゾディアック
(アメリカ)
監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:ジェイク・ギレンホール、ロバート・ダウニー・Jr
時間:2時間36分
映像作家デヴィッド・フィンチャー最新作にして彼のフィルモグラフィで最も高い評価を獲得した作品。全米BoxOfficeではパッとしなかったが、フィンチャーの作風がより芸術派肌になってきたことの裏返し?連続殺人鬼の謎に迫る本作も、謎解きそれ自体よりも謎解きに人生を翻弄される登場人物の描写に重きが置かれているようだ。一皮剥けたフィンチャーの新しい魅力がカンヌでどう評価されるか。