ここはアカデミー賞に興味を持つすべての映画ファンのためのサイトです。1年間を通じてアカデミー賞の行方をウォッチします。
その他、アカデミー賞データベース、毎週の全米興行収入リポート、管理人の鑑賞映画レビューなど総合映画情報を発信します。 |
|
![]() |
|
|
|
|
|
外国映画が元気を取り戻すには?(シンポジウム)
GTF主催トーキョーシネマショーのシンポジウムにて、"外国映画が元気を取り戻すには?"という議題による討論を拝聴。映画ジャーナリスト大高宏雄氏の司会にて、ソニー・ピクチャーズ日本代表の佐野哲章氏、アスミック・エース社長の豊島雅郎氏、TOHOシネマズ社長の中川敬氏が意見を交わした。 まず大高氏より現状の邦高洋低についての説明があり、TOHO中川社長が数字でそれを裏付ける。大高氏が洋画の翳りを感じたのは、97年の「ロストワールド/ジュラシック・パーク2」が「もののけ姫」に惨敗を喫したシーンを目の当たりにしたときだとのことだが、中川社長によると、実際には2002年に洋画の絶頂期があり、それ以降徐々に洋画が力を失っていったとのこと。邦画隆盛の象徴的な存在である「踊る大捜査線2」の公開が2003年なので、やはりその頃を機に力関係が変わってきたようだ。
この現状に対して、独立系アスミック・エースの豊島社長は、独立系洋画の商売の難しさを指摘。洋画の買い付け価格は年々下がっているが、劇場公開後のDVDセールスなどの二次利用収入の後ろ盾がなくなり、収益構造が崩れたことが大きな要因だとした。また、大手配給ではアプルーバル上難しいような宣伝を行うことでヒットにつなげてきた手法も、それを受け取るユーザー環境の変化により通じなくなってきているという事実も実感しているようだ。 では、洋画、特にアメリカ映画自体の訴求力が弱まってきているのか?という疑問について、SPEの佐野日本代表はNOと回答する。事実、アメリカ映画の世界興収は年々うなぎのぼりで、いわゆる10億ドルクラブ入りする作品もポンポンと生まれている。世界的にはアメリカ映画の人気は絶頂期といっていいほどの盛況だという。ただし、良くも悪くもアメリカ映画は続編とリメイクのヒットで成り立っているとし、その原因は宣伝をゼロからしなくて済むからだと言及した。裏を返せばそれは、アスミック豊島社長が実感している宣伝の難しさを証明するもので、このインターネット時代に最適化した宣伝手法を見出せていないことが原因とも言える。現アスミック特別顧問で、SPE佐野代表の上司でもある原正人氏の時代は、マスの宣伝手法で悪く言えば観客をだます、ミスリードすることも出来たが、今の時代では通用しない、ごまかしがきかないとのことだが、クチコミの土壌があるインターネット時代においては当然のこと。逆に言えば、粗悪品は淘汰されて本物だけが生き残る環境にあるということなのだが、残念ながら現状の映画宣伝ではソーシャルメディアなどのクチコミ土壌をうまく活用できておらず、本物を浮かび上がらせるシステムが整っていないため、興行につながっていない。 また、シネコンによるアメリカスタイルの収益構造も独立系洋画の弱体化を招いているのでは?という意見も。シネコンのスクリーンを大作が独占し、独立系映画の入り込む余地がなくなっているという指摘だ。これに関してSPE佐野代表は、3D映画の台頭が大きく関係していると説明。現状、3D映画1本につき、各興行に対して3D字幕、3D吹替え、2D字幕、2D吹替えの最大4本のプリントを用意していると言う。つまり1本の3D映画で最大4スクリーンを独占することになる。本日公開の某3D大作も800スクリーン近くを独占しているが、はっきり言って800もスクリーンは必要ない、と断言。確かに3D映画で4スクリーンもとられるくらいなら、独立系洋画の1本もかけてほしいところだ。 では、邦高洋低の現状を打破するためにはどうすればよいのか? この"1500万人優先志向"を推し進めるということであれば、先の3D映画によるスクリーン独占は全く逆の方向なので、すぐに改善が必要だ。空いたスクリーンで高品質のヨーロッパ映画などを上映し、バラエティ豊かなラインナップを提供することこそ、目指すところのはずだ。新しく新宿歌舞伎町に出来るTOHOシネマズでは独立系洋画も率先して上映していく意向のようだが、そうした施策が洋画復活の鍵を握るのかもしれない。(独立系洋画はローカルで弱いという事実もあるが) シンポジウムでは他にも、映画料金についてや金曜初日の是非についてなど、興味深い議論が多数なされたが、1時間余の限られた時間では到底議論し尽せるはずもない難題であり、こうした議論の継続が必要なことを強く感じた。
日時: 2011年7月29日 20:30
| コメント (0)
| トラックバック (0)
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL: |
|
