ジョージ・クルーニーの偉大なる寛大 ― 「オーシャンズ12」レビュー
今回の主役はブラピ。ジョージ・クルーニーの影が薄いなんて考えてもみなかった。あれでよしと納得するんだからクルーニー兄貴は心が広い。
今回は肝心の”犯行”をほとんどフラッシュバックで見せるのでハラハラドキドキ感は薄い。ユーロポールの捜査官イザベルやナイトフォックスとの対決は凝っ た筋書きで面白かったけれど、11人各自のポジションがはっきりして単純明快だった前作のほうがテンポもよくて痛快だった。
だって今回のは、11人が再び集まる口実はうまいこと作ったけど、仕事には全然11人必要ないし。
ガナりたてるだけのエリオット・グールドに(まあ一作目でもそうだったけど)、ぽっちゃりしちゃった体形を隠すダボダボ衣装でアクションの見せ場なしの中国人(名前なんだっけ?)、相変わらず出番の少ないドン・チードル(もっと見せて!)。バーニー・マックなんてずっと檻の中だし・・・。
11人に見せ場を作るだけでも難しいのに、新しいキャラがわんさか出てきたんじゃ収拾がつくわけもない。グダグダな内容をソダーバーグがバシバシはさみ入れてテンポだけはよく仕上げたってな感じ。
でもまあブラピ、クルーニー、デイモンらの活躍を見ているだけでも満足。ぜひ13も見たいが、日本ではやって欲しくない。ガッカリするのがオチだから。