前作の創造力再現はならず — 「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」レビュー
前作「~炎のゴブレット」の見事な創造力再現を期待したものの、今回は起伏のない退屈な物語展開のせいもあってスチュアート・クレイグ率いる美術チームが手腕を振るうシーンが限定されてしまった。3作目でアルフォンソ・キュアロンが打ち出したダーク路線を踏襲して新たなファン層を獲得したハリポタだが、物語自体は相変わらず子供向けで決して大人がワクワクする類のものではない。
今回もどうでもいい話を尻が痛くなる思いをしながら眺めさせられるわけだが、そこにクレイグのイマジネーションが同居しないのでは我慢の意味がない。
かろうじて楽しめるのは新登場イメルダ・スタウントンの嬉々とした怪演くらいか。