[Weekend Report] 「ボーン・アルティメイタム」シリーズ最高興収確実!
マット・デイモンが記憶をなくしたCIA諜報員に扮するヒット・シリーズの第3弾「ボーン・アルティメイタム」が期待通りの好発進で首位デビューを飾った。初日の金曜日に2400万ドル超を売り上げると、土日も大きな減収なく順調な興行を展開し、オープニング3日間で7000万ドル超を売り上げた。同シリーズのオープニング興収は、02年に公開された第1作「ボーン・アイデンティティ」が2700万ドル、04年の「ボーン・スプレマシー」が5200万ドルを売り上げており、回を重ねる毎に人気を増している。今回の第3作も水準の高い前作のオープニング興収を超えてきたとあって、最終的にシリーズ最高のヒットとなることが期待される。2作目のトータル興収が1億7600万ドルに達したことを考えれば、今回の3作目はいよいよ2億ドルの大台超えもありうる。
先週、爆発的なヒットスタートを切った「ザ・シンプソンズ MOVIE」は65%の大きな減収で2位にランクダウン。トータル興収は1億2500万ドルに達しているものの、この分では2億ドル超えは厳しそうだ。英国でもフォックス作品としては「エピソード3」に次ぐオープニング記録を達成するなど世界的なヒットとなっているが、こと日本においてはTV放映が有料チャンネルのみということもあり、人気も知名度も今ひとつ。拡大公開に踏み切るのは危険だが、これだけヒットすると限定公開に終わらすことも出来ない?
3位に初登場の「Underdog」は、ディズニーが贈るファミリー向けコメディ。ひょんなことからスーパーパワーを手に入れてしまった犬が、悪の手から世界を救うために立ち上がる。飼い主の少年との友情も描かれるなど、家族で楽しむにはもってこいの1本か。3013館の公開で1200万ドルは期待の数字には届かないもののマズマズ。もっとも、わかりやすいプロット、可愛い犬、友情物語といったヒットの要素を詰め込んだ割には淋しい数字ともいえる。
サタデー・ナイト・ライブ出身のコメディアン、アンディ・サムバーグ主演のコメディ「Hot Rod」は9位にランクイン。反りが合わず会えば喧嘩ばかりの叔父の手術代を稼ぐために危険なスタントに挑むことになる青年の物語。主演のサムバーグはサタデー・ナイト・ライブで共演したナタリー・ポートマンとの恋の噂がゴシップ紙を賑わしたばかりの時の人。格差カップルとの報道を覆すべく、初主演作品をヒットに導きたかったが、結果は芳しいものではなかった。3日間でわずか500万ドルしか稼げない惨敗で、新たなコメディスター誕生とはならなかった。
大ヒットした「トランスフォーマー」に続けとばかり、タカラトミーから発売され全米のティーンを中心に人気を博した人形“ブラッツ”をモチーフとした実写映画「Bratz」が市場に登場。1509館で公開されるも3日間で430万ドルしか稼げず惨敗を喫した。仲良し女の子4人組がハイスクールで“ブラッツ”を結成して学内の既成派閥と抗争を繰り広げるという物語だが、さすがにターゲットとなる客層が狭すぎたか。こうした企画先行の作品マーケティングは得意のライオンズゲートだが、最近は失敗続き。低予算作品の拡大公開戦略もそろそろ見直す時期が来たか。