リー×ステイサム、これ以上ない豪華競演も…… — 「ローグ アサシン」レビュー
ジェット・リー×ジェイソン・ステイサム。個人的にこれほど豪華な組み合わせはない。一見善玉のリーが無慈悲な殺人マシーンに、悪顔のステイサムがFBI捜査官に扮する配役の妙で掴みはバッチリの本作だが、物語終盤には意外な展開を見せる。ジャパニーズ・ヤクザとチャイニーズ・マフィアの争いに主人公の2人が絡む物語はアメコミの世界に近いが、MTVあがりの監督フィリップ・G・アトウェルはリーをワイヤーで釣ることなくリアルなアクションを目指した。この試みは主人公2人の物語に焦点を絞った作りとしては成功しているが、映画自体は地味で魅力は半減している印象。
例によって登場するトンデモニッポンが苦笑を誘い、デヴォン青木を始めとする日本人役キャストのナニ言ってるかワカラナイ日本語が失笑を誘う(劇場公開版では吹替えになるらしい)。最も笑えるのは、日本語堪能な石橋凌が台詞をかんでいるのにOKテイクになっていること。現場に誰も指摘できる人間がいなかったのね……。