キャラ先行で物語軽視、カタルシスもなし ― 「ファンタスティック・フォー:銀河の危機」
1作目は馬鹿馬鹿しくもわかりやすい娯楽志向でけっこう好きだったのだが、2作目はキャラ先行のせいで物語が破綻していて終始退屈した。シルヴァーサーファーがアメリカ人にとって思い入れのあるキャラなのはわかるが(映画「クリムゾン・タイド」の中にもシルヴァーサーファーを馬鹿にされたことで喧嘩になるシーンがある)、よく考えると物語導入部の案内役でしかないこのキャラが、無意味にクローズアップされる作りが全体的なバランスを壊している。前作のようなわかりやすい勧善懲悪の構図を捨てた分カタルシスもなく、さして真新しくもないCG映像しか見せ場がない。
興収も落ちていることだし、シリーズはこれで打ち止めが賢明かも。