今週封切りの作品賞有力コンテンダーの評価は?
今週末、全米では多くのアカデミー賞作品賞レース有力コンテンダーが公開を迎えた。それぞれの作品に批評家たちはどんなジャッジを下したのか?
■ ブレイブ ワン
鬼才ニール・ジョーダン×ジョディ・フォスター主演作品にしては評価は伸びず。手放しでの絶賛評は皆無で、マズマズ及第点といった評価が大勢を占める。ジョディ・フォスターの演技は一定の評価を得ているものの、物議を醸す内容も手伝って、作品自体は否定的な意見も少なくない。作品賞レースからは大きく後退。
■ In the Valley of Elah
アカデミー賞作品賞受賞「クラッシュ」以来の監督作となるポール・ハギスの新作はマズマズの評価。否定評も多く絶賛には至っていないが、そもそも「クラッシュ」も似たような評価だった。熱烈な支持者がいる一方で否定的な見解の人間も生むという彼の作品の性質は、イラク戦争を題材にしても変わらないようだ。それだけ刺激的な作品であるということだろう。
キャストに対する評価も高く、特にトミー・リー・ジョーンズへの賛辞はすさまじい。主演男優賞ノミネート当確か。2度目の受賞も圏内。
■ Eastern Promises
デヴィッド・クローネンバーグ監督の前作「ヒストリー・オブ・バイオレンス」に匹敵する高評価を獲得。「ヒストリー~」で成し得なかった作品賞候補を勝ち取る可能性が出てきた。主演のヴィゴ・モーテンセンに対する賛辞も熱く、主演男優賞レースの強力コンテンダーに浮上。ただ、この作品で最も候補の可能性高いのはクローネンバーグか。「ヒストリー~」でも最後まで有力コンテンダーとして名前が残ったものの惜しくも落選。キャリア・リスペクト票も集まって初ノミネートの可能性は高い。
■ King of California
マイケル・ダグラスがキャリアハイの名演技との評も。共演のイヴァン・レイチェル・ウッドがダグラスを食っているとの評価もあるが、ダグラスの演技がこの作品の大きな見所であることは大方の批評家が認めるところのようだ。作品自体は賞レースに絡むほどの強さはなさそうで、ダグラスとウッドの演技賞ノミネートが期待される。