2007 アカデミー賞 主演男優賞 有力コンテンダー
二度目のオスカー像を獲得するのはどちらか?「マイ・レフト・フット」で主演賞受賞のダニエル・デイ=ルイスか、それとも「逃亡者」で助演賞受賞のトミー・リー・ジョーンズか。今のところこの2人が主演男優賞レースを牽引する展開。2人とも映画界でのキャリア長く、2度目の受賞資格は十分だ。ルイスは「ギャング・オブ・ニューヨーク」で2度目の主演賞に王手をかけたが落選した過去があり、再度の挑戦で偉業達成の可能性はある。また、ジョーンズは近年、監督としても成功し、まさに脂の乗り切った時期。役者としての評価も上昇一途で、このままいけば歴代の名優たちと並び称される存在となりそうだ。
3番手には作品も好評のヴィゴ・モーテンセン(Eastern Promises)がつける。「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズで手に入れた知名度、デヴィッド・クローネンバーグ監督と組んだ前作「ヒストリー・オブ・バイオレンス」での演技力に対する評価を合わせれば、初のオスカー候補も十分手の届く位置だ。
作品の評価は微妙も、実在の人物を演じている強みでドン・チードル(Talk To Me)の候補も可能性が高い。何よりチードルは業界でのリスペクト厚く、票が集まりやすい下地がある。「ホテル・ルワンダ」では受賞まで後一歩のところまで詰め寄っていたと噂されるだけに、再度のノミネートを期待する声は大きい。
「Reservation Road」のホアキン・フェニックスも3度目の候補に期待度十分。子供を不運な事故で亡くし、復讐を誓う父親という共感を得やすい役柄もプラスに働くだろう。
他、常連トム・ハンクス(Charlie Wilson’s War)、ジャック・ニコルソン(The Backet List)あたりも候補入りを狙う。
「カポーティ」で受賞したばかりながら、フィリップ・シーモア・ホフマン(The Savages)の再候補もある。ただ、ホフマンは「Charlie Wilson’s War」でもかなりオイシイ役を演じているようで、助演賞部門でも有力視されており、そちらで候補になる可能性もある。
イラク戦争で妻を亡くした男を演じるジョン・キューザック(Grace Is Gone)にも注目。これまで賞レースには全く無縁だったキューザックが初のオスカー候補を手に入れられるか。