2007 アカデミー賞 助演女優賞 有力コンテンダー
演技力を高く評価されながらも未だにアカデミー賞候補経験のないジェニファー・ジェイソン・リーに最大のチャンス到来だ。「イカとクジラ」で一躍スターダムに上り詰めた新鋭監督ノア・バウムバックの新作「Margot At The Wedding」で感情爆発の熱演を見せているらしい。キャリア、役柄ともにアカデミーへのアピール度抜群で、ポール・トゥ・ウィンの可能性は高い。
「エリザベス:ゴールデン・エイジ」が沈没して票割れの危険がなくなったケイト・ブランシェットはノミネートまでは安泰か。ヴェネチア国際映画祭女優賞の実績は大きい。対象作「I’m Not There」では存命のアーティスト、ボブ・ディランを男装して演じる。
ポール・ハギスの最新監督作「In the Valley Of Elah」は批評家からマズマズ良好に迎えられるも、作品賞戦線で主役を張れるほどの存在感はない。ただ、逆に演技賞部門で注目を集めそうで、主演男優賞部門のトミー・リー・ジョーンズと、この部門のスーザン・サランドンはチャンスが大きいだろう。サランドンはディズニー製作のパロディ映画「魔法にかけられて」でも魔女役を怪演しているらしく、候補入りのアシストになるかもしれない。
作品賞部門の有力コンテンダー「Atonement」からは3人が名乗りを上げる。中でも最右翼は新人子役のシーアシャー・ローナン。多感な思春期の少女役で、しかも物語のキーとなる重要な役柄。子役に甘い部門だけに可能性は高い。他、ロモーラ・ガライとヴァネッサ・レッドグレイヴも有力。作品は多部門ノミネートも予想されているだけに、複数候補を送り出してもおかしくない。
ショーン・ペン監督作「Into The Wild」のキャスリーン・キーナーもチャンスあり。出番はあまり多くなさそうだが、前回ノミネートされた「カポーティ」でも短い出演シーンで強烈な印象を残している。3度目の候補に視界良好だ。
他、批評家激賞のスリラー「Michael Clayton」でジョージ・クルーニーと渡り合うティルダ・スウィントン、ベン・アフレック監督デビュー作「Gone Baby Gone」で熱演と評判のエイミー・ライアン、アフレックの嫁ジェニファー・ガーナーも前評判高いコメディ「Juno」で候補のチャンスあり。