[This Week’s Openers] R・スコット監督のオスカー有力作登場!
アメリカン・ギャングスター
監督 : リドリー・スコット
出演 : デンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウ
配給 : Universal
OP予想: 2500万ドル
オスカー・ウォッチャー注目の一作がついに封切り。リドリー・スコット×ラッセル・クロウの黄金コンビによる新作は、70年代のニューヨークで悪名を轟かせた麻薬密売人(ワシントン)と、彼を追う捜査官(クロウ)の攻防を描くクライムドラマ。実在した密売人の大物フランク・ルーカスの半生をベースにした実録モノだ。
スコットとクロウの前作「プロヴァンスの贈りもの」は悲惨な結果に終わっただけに、今回は何としても結果が欲しい。デンゼル・ワシントンという強力な味方を引き入れて作品の成功確率はグッと高まったと言えそうだ。批評家からは手堅い評価を集めそうだが、アカデミー賞戦線で大きく浮上するにはむしろ興行的な成功が重要になりそう。2500万ドル級のオープニングを実現できれば、作品賞候補に大きく前進する。
ビームービー
監督 : スティーブン・ヒックナー、サイモン・J・スミス
出演 : ジェリー・サインフェルド、レネー・ゼルウィガー
配給 : DreamWorks、Paramount
OP予想: 3200万ドル
ハズレの少ないドリームワークス製アニメーション最新作は、蜂が主人公のファミリーコメディ。人気TV番組「となりのサインフェルド」で圧倒的知名度を誇るジェリー・サインフェルドが主人公の声を吹替え。サインフェルド本人が予告編、カンヌ国際映画祭での宣伝など露出しまくりで頑張っているだけに、オープニングはそこそこの数字でまとめてきそうだ。同日公開の「アメリカン・ギャングスター」は強敵だが、少なくとも3000万ドルは確保したいところ。トータル1億ドル超なら成功とみていいだろう。
Martian Child
監督 : メノ・メイエス
出演 : ジョン・キューザック、アマンダ・ピート
配給 : New Line Cinema
サンダンス映画祭で大好評の「Grace Is Gone」でアカデミー賞初ノミネートの期待もかかるジョン・キューザック主演の新作。男やもめのSF作家が、ある日不思議な少年と出会い、彼が火星から来たと信じるようになる……というサスペンス風味のドラマ。監督のメノ・メイエスとキューザックは「アドルフの画集」でもコンビを組んでいる。今年の夏に主演スリラー「1408」がスマッシュヒットを記録して乗りに乗るキューザックだけに、今年3本目となる主演作にも期待がかかる。
Darfur Now
監督 : テッド・ブラウン
出演 : ドン・チードル、アダム・スターリング
配給 : MGM
今なお止むことのないダルフール紛争を終結させるべく活動する6人の英雄たちを取り上げたドキュメンタリー。史上初めてアメリカが“現在進行中の”虐殺として宣言したダルフールの民族浄化の実情に迫る。ナレーションを務めるドン・チードルは自ら音頭をとり、「オーシャンズ13」の共演者たちから1000万ドルの寄付をとりつけたという。先日、レオナルド・ディカプリオがナレーションを務める「11th Hour」が公開されたが、このところハリウッドスター主導によるドキュメンタリーが増えているようだ。