[Weekend Report] 「ライラ」首位デビューも「ナルニア」に遠く及ばず!
「ロード・オブ・ザ・リング」三部作で映画史上に残る大成功を収めたニューライン・シネマが、新たなファンタジー・シリーズで二匹目のどじょうを狙う。
イギリス人作家フィリップ・プルマンが発表したベストセラーを、「アメリカン・パイ」「アバウト・ア・ボーイ」のクリス・ワイツが映像化した「ライラの冒険/黄金の羅針盤」が大方の予想通り首位デビューを飾った。
強力なライバル不在、この冬最も期待の大きいファミリー・ムービーとあって爆発的なスタートが期待されたものの、3日間で2600万ドルとやや期待はずれの成績に終わった。2年前の同時期に公開された「ナルニア国物語 第1章」が記録したオープニング興収6500万ドルの半分以下という成績では、関係者も素直に首位デビューを喜べないだろう。「ナルニア~」を物差しにすれば、トータル興収は1億万ドル程度となるが、果たしてそこまで数字を伸ばせるかどうかは微妙なところだ。
32館で限定公開の「つぐない」は、1館あたりのアベレージが25000ドルと上々のスタート。批評家からも絶賛評を勝ち取っており、一躍アカデミー賞戦線のトップコンテンダーに躍り出た。ちらほらと発表が始まった前哨戦レースでまだ受賞はないものの、作品の内容とスケール感はアカデミー賞向きで、本番では本命視される可能性が高い。このまま興収面でも好調が続けば、多部門での受賞が期待できそうだ。
7館で公開の「Juno」はアベレージ60000ドルの大ヒットスタート。予期せぬ妊娠に慌てながらも気丈にふるまう主人公を演じたエレン・ペイジに批評家からの支持が集中。期待通りオスカー戦線の主役に躍り出た。作品自体も評価高く、監督のジェイソン・ライトマンは前作「サンキュー・スモーキング」に続き成功を収めた。父とは違う路線で早くも頭角を現しており、近い将来大きな仕事をするかもしれない。
他の限定公開組は冴えない結果に。ジョン・キューザックが初のオスカー候補を期待されている「Grace Is Gone」は4館で公開されアベレージ3500ドルと惨敗。サンダンス映画祭での人気を考えると意外な結果となった。
ジェフ・ブリッジス主演のコメディ「The Amateurs」は3館でアベレージ4000ドル、ポール・シュレイダー監督のドラマ「The Walker」も3館でアベレージ5500ドルといずれも芳しくない結果に終わっている。
注目のガイ・リッチー監督新作「Revolver」は18館の公開でアベレージ2300ドルと惨敗。復活とはならなかった。本国イギリスでも苦戦していたことを思えば、避けられない結果だったと言えそうだ。
TW | LW | Title | 配給 | Weekend | 劇場数 | Total | 週 |
1 |
N
|
ライラの冒険/黄金の羅針盤 |
NL
|
$26,125,000
|
3,528
|
$26,125,000
|
1
|
2 |
1
|
魔法にかけられて |
BV
|
$10,706,000
|
3,520
|
$83,865,000
|
3
|
3 |
3
|
This Christmas |
SGem
|
$5,000,000
|
1,879
|
$42,760,000
|
3
|
4 |
6
|
ブラザーサンタ |
WB
|
$4,660,000
|
3,185
|
$65,589,000
|
5
|
5 |
2
|
ベオウルフ/呪われし勇者 |
Par.
|
$4,400,000
|
2,976
|
$75,983,000
|
4
|
6 |
10
|
ノーカントリー |
Mira.
|
$4,233,000
|
1,324
|
$28,861,000
|
5
|
7 |
7
|
August Rush |
WB
|
$3,525,000
|
2,310
|
$25,148,000
|
3
|
8 |
4
|
Hitman |
Fox
|
$3,475,000
|
2,418
|
$35,810,000
|
3
|
9 |
5
|
Awake |
MGM/W
|
$3,301,000
|
2,023
|
$10,716,000
|
2
|
10 |
9
|
ビー・ムービー |
P/DW
|
$2,612,000
|
2,707
|
$121,028,000
|
6
|