[2007 Precursors] ヨーロッパ映画賞
ヨーロッパで製作された映画を対象とした賞で英語作品のエントリーは少ないが、アカデミー賞も年々グローバル化の様相を見せており決して無視は出来ない。昨年はアカデミー賞外国語映画賞受賞の「善き人のためのソナタ」が作品賞に選ばれているだけに、外国語映画賞の行方を占う格好の材料となりそうだ。今年、作品賞候補となった作品のうち、外国語映画賞にエントリーしているのは3作。中でもカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した「4ヶ月、3週と2日」は有力候補と言えそうだ。
(2007/12/01)
大方の予想通り、作品賞は「4ヶ月、3週と2日」が受賞。アカデミー賞外国語映画賞ノミネートに向け大きく前進した。作品賞受賞こそ逃したが、ドイツの「The Edge of Heaven」は脚本賞を受賞。こちらも外国語映画賞候補に望みをつないだ。主演男優賞を受賞した「迷子の警察音楽隊」はイスラエル代表に選ばれていたものの、劇中で使用される英語のパーセンテージが規定を上回っていたために資格を取り消されている。有力コンテンダーだっただけに残念。
(2007/12/13)
第20回 ヨーロッパ映画賞
■ 作品賞
The Edge of Heaven(監督:ファティ・アキン)
★4ヶ月、3週と2日(監督:クリスチャン・ムンジウ)
ラストキング・オブ・スコットランド(監督:ケヴィン・マクドナルド)
ペルセポリス(監督:マルジャン・サトラピ、ヴァンサン・パロノー)
クィーン(監督:スティーヴン・フリアーズ)
エディット・ピアフ/愛の賛歌(監督:オリヴィエ・ダアン)
■ 監督賞
ファティ・アキン(The Edge of Heaven)
ロイ・アンダーソン(You, the Living)
スティーヴン・フリアーズ(クィーン)
ケヴィン・マクドナルド(ラストキング・オブ・スコットランド)
★クリスチャン・ムンジウ(4ヶ月、3週と2日)
ジュゼッペ・トルナトーレ(題名のない子守唄)
■ 男優賞
★サッソン・ガーベイ(迷子の警察音楽隊)
エリオ・ジェルマーノ(My Brother Is an Only Child)
ジェームズ・マカヴォイ(ラストキング・オブ・スコットランド)
ミキ・マノイロヴィッチ(やわらかい手)
ミシェル・ピコリ(夜顔)
ベン・ウィショー(パフューム ある人殺しの物語)
■ 女優賞
マリオン・コティヤール(エディット・ピアフ 愛の賛歌)
マリアンヌ・フェイスフル(やわらかい手)
カリス・ファン・ハウテン(ブラックブック)
アマナリア・マリンカ(4ヶ月、3週と2日)
★ヘレン・ミレン(クィーン)
クセニア・ラパポルト(題名のない子守唄)
■ 脚本賞
迷子の警察音楽隊
★The Edge of Heaven
4ヶ月、3週と2日
クィーン
■ 撮影賞
Banishment
ラストキング・オブ・スコットランド
★パフューム ある人殺しの物語
題名のない子守唄
■ 作曲賞
Gucha
ラストキング・オブ・スコットランド
パフューム ある人殺しの物語
★クィーン
■ Prix d’ Excellence賞
Alatriste(衣装デザイン)
4分間のピアニスト(録音)
★パフューム ある人殺しの物語(美術)
クィーン(編集)
エディット・ピアフ/愛の賛歌(メイキャップ)
■ ドキュメンタリー映画賞
Paper cannot Wrap up Embers
■ 短編映画賞
Alumbramiento
■ 批評家賞
Private Fears in Public Places
■ ディスカヴァリー賞
迷子の警察音楽隊
■ ワールド映画賞
ミヒャエル・バルハウス
■ 生涯功労賞
ジャン=リュック・ゴダール
■ 名誉賞
マノエル・デ・オリヴェイラ
■ 観客賞
題名のない子守唄