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前半の緊張感が後半で台無し ― 「アイ・アム・レジェンド」レビュー

映画レビュー 記事:2007.12.17

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これは完全にウィル・スミスの一人芝居を楽しむ映画。よってスミスお得意の軽口あり、涙あり、アクションありの前半は最高に楽しめる。大きな見せ場のひとつである荒廃したニューヨークの景観もハラハラ感を煽ってよい出来。一人取り残された主人公の苦悩をスミスがときに軽妙に、ときに繊細に演じれば、脚本のアキヴァ・ゴールズマンは失われた命の重さをパーソナルなレベルでさりげなく表現する。“地球上にたった一人”というプロットがうまく生かされている。

ただし、人類滅亡の危機の原因が明らかにされ、「奴ら」が大挙して現れる段になると途端にオリジナリティが失われて平凡なスリラー映画に成り下がる。前半の緊張感と創意工夫がブチ壊しだ。ここらあたりがマッチョなスミス映画の限界かもしれないが、そのスミスが繊細な演技で前半に見せ場を作っていただけに残念。

「コンスタンティン」で演出に冴えを見せたフランシス・ローレンス。今回の超大作でもなかなか見所ある映像を創造している。CGに頼った部分は大味でツマらないが、細かい部分でオッと唸る演出あり。意図的に繰り返されるガラスにヒビが入るイメージが映画のテーマに重なる。ドラマ部分の演出も匙加減よく、センスを感じさせる。今後も予算の大きな映画で活躍が期待できそうだ。


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