[2007 Precursors] 最重要!!! 俳優組合賞ノミネーション発表!
演技部門において最もアカデミー賞との直結度が高いアメリカ俳優組合賞のノミネーションが発表された。各部門ともサプライズ含みの選出となっており、その影響力が注目される。
まずは主演男優賞。サプライズ候補はエミール・ハーシュとライアン・ゴズリングの若手2人。どちらもこれまでの前哨戦でマズマズの結果を残しているとはいえ、アカデミー賞候補までは少し足りないか……というのが大方の予想だったが、SAGノミネーションで大きく浮上だ。昨年も候補に挙がっているゴズリングが嫌われた場合、ハーシュの候補入りも十分ありうる。代わりに有力視される「In the Valley of Elah」のトミー・リー・ジョーンズ、フランク・ランジェラ、ジョニー・デップ、ジェームズ・マカヴォイらが落選。
主演女優賞ではケイト・ブランシェット、アンジェリーナ・ジョリーがIN。エイミー・アダムス、キーラ・ナイトレイ、ジョディ・フォスターがOUT。公開時期の早さが不利とされたアンジーは重要前哨戦(ブロードキャスト、ゴールデン・グローブ)で全て候補入りしており、アカデミー賞候補をほぼ手中に収めた感。また、作品が不評のケイト・ブランシェットも同じく前哨戦で強さを発揮。こちらもノミネートの可能性が高まった。
助演男優賞は「ノーカントリー」のトミー・リー・ジョーンズがサプライズ候補。同作からはこれまでハヴィエル・バルデムだけが気を吐いていたが、ここにきて急浮上だ。ただし、ジョーンズは主演賞との票割れも考えられるだけに、アカデミー賞候補への道はなかなかに険しい。大ベテラン、ハル・ホルブルックのノミネートでハジかれたのは、「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」のフィリップ・シーモア・ホフマン。ホフマンは今年「The Savages」「Before the Devil Knows You’re Dead」と秀作揃いで票割れしたかもしれない。本番でも同じ結果になってしまうのか。
助演女優賞はルビー・ディーがサプライズ候補。代わりに「つぐない」の3人、ジェニファー・ジェイソン・リーがOUT。「つぐない」の3人は前哨戦でも票が割れており、この調子だとアカデミー賞でも票割れの可能性が高い。
注目すべきはアンサンブル演技賞。この部門がアカデミー賞“作品賞”部門に与える影響力は大きく、候補作には大きな追い風となる。今年は「Into The Wild」が各部門通じて高評価を受けており、最も人気のあった一本ということが言えそうだ。ゴールデン・グローブ賞落選で暗雲立ち込めたが、やはりアカデミー賞作品賞部門での有力コンテンダーと言ってよさそうだ。
第14回 アメリカ映画俳優組合賞(Screen Actors Guild)
■ 主演男優賞
ジョージ・クルーニー(フィクサー)
ダニエル・デイ=ルイス(There Will Be Blood)
ライアン・ゴズリング(Lars and the Real Girl)
エミール・ハーシュ(Into the Wild)
ヴィゴ・モーテンセン(Eastern Promises)
■ 主演女優賞
ケイト・ブランシェット(エリザベス:ゴールデン・エイジ)
ジュリー・クリスティ(Away from Her)
マリオン・コティヤール(エディット・ピアフ 愛の賛歌)
アンジェリーナ・ジョリー(マイティ・ハート 愛と絆)
エレン・ペイジ(Juno)
■ 助演男優賞
ケイシー・アフレック(ジェシー・ジェームズの暗殺)
ハヴィエル・バルデム(ノーカントリー)
ハル・ホルブルック(Into the Wild)
トミー・リー・ジョーンズ(ノーカントリー)
トム・ウィルキンソン(フィクサー)
■ 助演女優賞
ケイト・ブランシェット(I’m Not There)
ルビー・ディー(アメリカン・ギャングスター)
キャサリン・キーナー(Into the Wild)
エイミー・ライアン(Gone Baby Gone)
ティルダ・スウィントン(フィクサー)
■ アンサンブル演技(キャスト)賞
3:10 to Yuma
アメリカン・ギャングスター
ヘアスプレー
Into the Wild
ノーカントリー
■ スタントアンサンブル賞
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■ 功労賞
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