一体どうなってる!? 外国語映画賞一次選考で大波乱!!
外国語映画賞部門の第一次選考が行われ、9作品が最終選考へと駒を進めた。だが、その中には同部門の大本命と目されていたカンヌ国際映画祭パルムドール受賞の「4ヶ月、3週と2日」、同映画祭審査員賞受賞の「ペルセポリス」の名前が見当たらない。この2作品は前哨戦でも実績上位で、ノミネートまでは問題なくクリアすると思われていたが、まさかの落選。もともと同部門の選考システムには大きな欠陥が指摘されていたが、今年の結果により非難の声がますます強くなりそうだ。
今年の外国語映画賞選考では他にも首を傾げることが山ほどある。まずは各国の代表選考で、今年最も評価の高い外国語作品「潜水服は蝶の夢を見る」が落選。さらにはマリオン・コティヤールが主演女優賞レースで有力視される「エディット・ピアフ 愛の賛歌」も選から洩れた。また、東京国際映画祭グランプリ受賞の「迷子の警察音楽隊」は、英語使用の比率が規定にひっかかりエントリー資格を剥奪され、アン・リー監督の「ラスト、コーション[色、戒]」は中国と台湾の政治問題からエントリーを見送られている。
本来ならば、ここで名前の挙がった作品がノミネート5作品を占めてよいはずで、それらが全て落選という結果には釈然としないものがある。各国を代表する一流映画が集まってクオリティを競うはずの同賞が、不透明な選考システムのもとで選ばれるのでは、その栄誉を疑問視する声が出てもおかしくない。一刻も早いシステムの見直しを願う。
■ 外国語映画賞 最終選考エントリー作品
ヒトラーの贋札(オーストリア)
The Year My Parents Went on Vacation(ブラジル)
Days of Darkness(カナダ)
Beaufort(イスラエル)
題名のない子守唄(イタリア)
Mongol(カザフスタン)
Katyn(ポーランド)
12(ロシア)
The Trap(セルビア)