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[Weekend Report] 「クローバーフィールド」がついにヴェールを脱ぐ！

映画のタイトルが出ないで終わるという斬新すぎる予告編が話題になった映画「クローバーフィールド／HAKAISHA」がついに全米公開された。これまで謎のヴェールに包まれていた本作だが、どうやらニューヨークを襲う爆発の正体は、地球外からやってきたモンスターによる襲撃のようだ。明かされてみればごくありきたりの設定だが、斬新な宣伝方法と記録映画風のパニック映画というアプローチの新しさが、多くの映画ファンを劇場へと導いた。

例年最もBoxOfficeの冷え込むこの時期に、オープニング3日間で4500万ドルの売り上げは驚異的。1月の興収としては史上最高だ。タイトルなしの予告編の他にも、映画に関連すると思われる架空会社のウェブサイトが突如現れ、アラブ語で書かれた謎のメッセージが表示されるなど、その宣伝方法は実に変わっており、まさにアイデアの勝利。こうした仕掛けでパブリシティを発生させるやり方は今までにも何度か試みがあったものの、ここまで上手くやった例は無かった。仕掛け人は「LOST」を手掛けたJ・J・エイブラムス。さすがのセンスと言うべきか。

2位に初登場は20世紀フォックス配給のコメディ「幸せになるための27のドレス」。友人の結婚式で27回もブライドメイドを務めてきた、ちょっとお人よしで自分の幸せには無頓着な主人公の恋愛物語。3日間で2100万ドルの興収ならマズマズのヒット。主演のキャサリン・ハイグルは、TVドラマ「グレイズ・アナトミー」でお茶の間の人気者となった若手女優で、スクリーンでも昨夏の「Knocked Up」が大当たりして大ブレイク。ポスト・リース・ウィザースプーンとしてBoxOfficeスターとなることが期待される逸材だ。前作の大ヒットは監督のジャド・アパトゥによるところが大きかっただけに、この新作が自身の集客力を問われる試金石だった。とりあえずオープニング成績を見る限り及第点はクリアと見ていいが、今回も監督が「プラダを着た悪魔」の脚本家という宣伝文句が大きく踊るだけに、ハイグル自身の真の興行価値は評価を待ちたい。

幅広い層に人気のダイアン・キートン、黒人女優として最も強力な集客力を誇るクィーン・ラティファ、そしてMrs.クルーズことケイティ・ホームズの3人が共演するクライム・コメディ「Mad Money」が2470館で公開されたが、3日間で600万ドルの興収に留まった。
ある銀行に掃除婦として務める3人が銀行強盗を計画し、実行するという物語で、映画の売りは当然知名度の高い3人のスター。それぞれにアピールする観客層が異なるだけに、うまくいけばスマッシュヒットも狙えるキャスティングだったが、思惑は完全に外れてしまったようだ。キートン、ラティファともに単独主演作に遥かに及ばない興収で、共演によるケミストリーは全くなし。豪華共演が無駄に終わってしまった。

107館で公開の「Cassandra’s Dream」はアベレージ4682ドルと平凡な数字。ウディ・アレン作品は、スカーレット・ヨハンソンが主演したここ2作「マッチポイント」と「タロットカード殺人事件」がそこそこの興収をあげていたが、今回ユアン・マクレガーとコリン・ファレルという2人の男優スターを擁した本作はパッとしない成績に終わってしまった。ヨハンソンとの集客力の差もさることながら、作品の評価が今ひとつという点が大きく影響しているようだ。

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