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[速報] 第80回 アカデミー賞ノミネーション発表!!

アカデミー賞 記事:2008.01.22

「ノーカントリー」VS「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」!
共に最多8部門候補で火花を散らす!
「フィクサー」、「つぐない」が7部門候補で続く!
監督賞にジェイソン・ライトマン(JUNO/ジュノ)、主演女優賞にローラ・リニー(The Savages)INのサプライズ!

<第80回アカデミー賞ノミネーション所感>
コーエン兄弟とPTAの監督作品が最多ノミネートでアカデミー賞を争う。こんなことが起こりうるとは数年前まで予想だに出来なかった。21世紀に突入してから徐々にアカデミー賞に変化の兆しが現れ始めていたが、今年こそその変化が初めて顕著に現れた年と記憶していいかもしれない。
作品賞ノミネート5作品中、メジャー作品の配給による作品は「フィクサー」のみ。インディ系作品の台頭はいよいよここに極まった感がある。とはいえ、今回ノミネート作品を排出したインディ系3社はいずれもメジャースタジオを親会社に持ち、厳密には独立系とは言えない。親会社のメジャースタジオが、アカデミー賞対策とも言えるアート系作品の製作を、これら子会社の手に託している現状こそが浮き彫りになったと言っていい。メジャースタジオの資金バックアップのおかげで、一昔前なら資金繰りの難しかったであろう「JUNO/ジュノ」や「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のような作品が生まれたのだとしたら、この傾向は歓迎すべきものなのかもしれない。いずれにせよ、メジャースタジオを親会社に持つこれらインディ系配給の活躍は今後もしばらく続くことになりそうだ。
第80回アカデミー賞全ノミネーション
■ 作品賞
つぐない(フォーカス・フィーチャーズ)
JUNO/ジュノ(フォックス・サーチライト)
フィクサー(ワーナー・ブラザース)
ノーカントリー(ミラマックス)
ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(パラマウント・ヴァンテージ)
前哨戦に入り劣勢の続いていた「つぐない」が候補に滑り込み、代わりに外国語作品「潜水服は蝶の夢を見る」、ショーン・ペン監督作「Into the Wild」が弾かれた。「ノーカントリー」と「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」がともに最多8部門候補に挙がっている事実から、やはりアカデミー賞の選考がアート志向に傾きつつあることが実感できる。その一方で、娯楽性の強い「フィクサー」や、オフビートなコメディ「JUNO/ジュノ」を選出する柔軟性も興味深い変化だ。いかにもアカデミー賞向きの「つぐない」がキッチリ候補入りしたところを見ると、これまでのアカデミー賞の価値観を固持する会員もまだ多数いるようだ。バラエティに富んで面白い選考結果になっていると言える。
■ 監督賞
ポール・トーマス・アンダーソン(ゼア・ウィル・ビー・ブラッド)
ジョエル&イーサン・コーエン(ノーカントリー)
トニー・ギルロイ(フィクサー)
ジュリアン・シュナーベル(潜水服は蝶の夢を見る)
ジェイソン・ライトマン(JUNO/ジュノ)
まず何と言ってもジェイソン・ライトマンのサプライズ候補に拍手を送りたい。「ゴースト・バスターズ」など娯楽映画一筋に生きてきた父アイヴァン・ライトマンが背伸びしても届かなかったオスカー候補を、孝行息子は30歳の若さで成し遂げてしまった。長編デビュー作となる前作「サンキュー・スモーキング」も傑出した出来だっただけに、今後更なる活躍が期待できる。恐るべき若手監督の誕生だ。
トニー・ギルロイのノミネートを見ると、WGAストライキでの活躍はアカデミー会員の間ではプラスに受け入れられているようだ。脚本家出身のこの新人監督に票が集まったのは、当然、昨夏に大ヒットした「ボーン・アルティメイタム」の卓抜した脚本への賞賛票も含まれるだろう。このギルロイも、ポール・グリーングラスとともにハリウッドで強大なパワーを持つキーパーソンになりそうだ。
残念だったのは巨匠シドニー・ルメットの落選。名誉賞あげたからもういいでしょ、ということか。久々に放った会心の一作だっただけに落選が悔やまれる。次回作に期待したい。
■ 主演男優賞
ジョージ・クルーニー(フィクサー)
ダニエル・デイ=ルイス(ゼア・ウィル・ビー・ブラッド)
ヴィゴ・モーテンセン(Eastern Promises)
ジョニー・デップ(スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師師)
トミー・リー・ジョーンズ(告発のとき)
上位4人は予想通りだったが、最後の1席を争うと見られていた若手2人、ライアン・ゴズリング(Lars and the Real Girl)とエミール・ハーシュ(Into the Wild)が揃って落選。代わりに選ばれたのは大ベテランのトミー・リー・ジョーンズという象徴的な結果となった。元来この部門は若手に厳しく、前年のライアン・ゴズリングの候補は珍しい部類だった。今回ゴズリングが2年連続の候補となれば快挙だっただけに残念だ。
ノミネート5人のうち、3人がすでにオスカー受賞経験者。ジョニー・デップも受賞こそないが、今回が3度目のノミネートとなる。有力どころがみな受賞経験者という争いだけに、デップ受賞の可能性も少なからず出てきたか。
■ 主演女優賞
ケイト・ブランシェット(エリザベス:ゴールデン・エイジ)
ジュリー・クリスティ(アウェイ・フロム・ハー 君を想う)
マリオン・コティヤール(エディット・ピアフ 愛の賛歌)
エレン・ペイジ(JUNO/ジュノ)
ローラ・リニー(The Savages)
前哨戦でいいところのなかったローラ・リニーがまさかの逆転ノミネート。代わりにSAG、GG、ブロードキャストの3賞全てで候補に挙がっていたアンジェリーナ・ジョリーが落選した。同じ実績を残したケイト・ブランシェットが候補に挙がっていることから、原因はジョリーに対する反感以外に考えられず、リニーにとってはラッキーな結果となった。しかしブランシェットは強い。アカデミー会員の彼女への寵愛は相当なものだ。おそらく過去に続編で同じ役を演じて主演賞にノミネートされた女優は例がないのでは。今年は助演部門でもノミネートされており、いよいよ現役最強女優の座を磐石とし始めた感。
■ 助演男優賞
ケイシー・アフレック(ジェシー・ジェームズの暗殺)
ハヴィエル・バルデム(ノーカントリー)
ハル・ホルブルック(Into the Wild)
トム・ウィルキンソン(フィクサー)
フィリップ・シーモア・ホフマン(チャーリー・ウィルソンズ・ウォー)
GG賞とまったく同じ結果に。SAGで候補落ちしたフィリップ・シーモア・ホフマンだが、そのとき逆転を許したトミー・リー・ジョーンズ(ノーカントリー)が主演部門で票を集めたおかげで最後の席に滑り込めた。ここはノーサプライズ。
■ 助演女優賞
ケイト・ブランシェット(アイム・ノット・ゼア)
ルビー・ディー(アメリカン・ギャングスター)
エイミー・ライアン(Gone Baby Gone)
ティルダ・スウィントン(フィクサー)
セルシャ・ローナン(つぐない)
3人の本命は順当にノミネート。残る2人は若手とベテランがそれぞれ選ばれた。これからのキャリアに期待する票がセルシャ・ローナンに集まり、これまでのキャリアを称賛する票がルビー・ディーに集まった。この部門は若手女優に優しい傾向があるだけに、ローナンは本番でもいい勝負が期待できるかもしれない。
■外国語映画賞
Beaufort(イスラエル)
ヒトラーの贋札(オーストリア)
Mongol(カザフスタン)
Katyn(ポーランド)
12(ロシア)
ジュゼッペ・トルナトーレ監督の「題名のない子守唄」、ドゥニ・アルカン監督「Days of Darkness」が落選。浅野忠信主演のカザフスタン映画「Mongol」が見事ノミネートを勝ち取った。
■長編アニメーション映画賞
レミーのおいしいレストラン(ディズニー)
ペルセポリス(ソニー・ピクチャーズ・クラシックス)
サーフズ・アップ(ソニー)
最後の一席は「ザ・シンプソンズ MOVIE」が有力視されていたが、ソニー・アニメーションの2作目「サーフズ・アップ」が逆転ノミネート。クオリティ通りの結果となって感心。ソニー製アニメは飛躍的な進化を遂げており、今後ピクサーに次ぐ勢力を勝ち取れるポテンシャルがある。「サーフズ・アップ」は通過点に過ぎない。
■長編ドキュメンタリー映画賞
No End In Sight
Operation Homecoming:Writing The Wartime Experience
シッコ
Taxi to the Dark Side
War/Dance
イラン、アフガン戦争をテーマとした作品が3つもノミネートされ、「War/Dance」も戦争の悲惨さを追求する反戦映画。テーマもアプローチも異質の「シッコ」がやはり本番でも本命視されそうだ。


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