[最終受賞予想] 編集賞
コーエン兄弟敬遠で「ボーン~」の勝利
◎クリストファー・ルース (ボーン・アルティメイタム)
ジュリエット・ウェルフィング (潜水服は蝶の夢を見る)
ジェイ・キャシディ (Into the Wild)
○ロデリック・ジェインズ (ノーカントリー)
▲ディラン・ティチェナー (ゼア・ウィル・ビー・ブラッド)
作品賞を占う上で重要視されるのが編集賞部門。過去10年で実に半数の5回が作品賞受賞作と一致しており、昨年も「ディパーテッド」のセルマ・スクーンメイカーが受賞を果たしている。
となると、ここは「ノーカントリー」と「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」の争いか。前哨戦実績上位は前者のロデリック・ジェインズだが、このジェインズが実は=コーエン兄弟であることは周知の事実で、ここが受賞争いのポイントになる。そもそもコーエン兄弟がこうした仮名を使うのも、監督が編集者を兼ねるのを編集者組合が認めていないから。この禁をすり抜けるコーエン兄弟に果たして票が集まるかどうか。兄弟は他にも3部門でノミネートされているので、この部門で敬遠されることは十分に考えられる。
となると、「ゼア~」に勝利が転がり込む可能性が高いが、ここは編集者組合賞をサプライズ受賞の「ボーン~」を狙ってみたい。カット数は史上空前の数だったと聞くし、作品のクオリティの高さは他の候補作にも全くヒケをとらない。娯楽作のハンデはあるが、受賞の資格は十分だ。