[最終受賞予想] 脚本賞
シンデレラガールか、WGAストの貢献者か
○ディアブロ・コディ (JUNO/ジュノ)
ナンシー・オリヴァー (Lars and the Real Girl)
◎トニー・ギルロイ (フィクサー)
ブラッド・バード (レミーのおいしいレストラン)
タマラ・ジェンキンス (The Savages)
前哨戦を完勝したディアブロ・コディが受賞の最右翼。今年のこの部門には女性が3人もノミネートされているのが話題で、授賞式ではその総決算としてコディの名前がコールされることになるだろう。コディはこの「JUNO/ジュノ」がデビュー作となるが、そのきっかけは、映画のプロデューサーがたまたま彼女のブログを見つけ、ファンになったからだそう。プロデューサーが彼女に映画の脚本を書くよう勧めたところ、「JUNO/ジュノ」が生まれたという。アカデミーはこういうシンデレラ・ストーリーが大好き。受賞は磐石か……というのが大方の予想だが、ちょっと待った。
「フィクサー」のトニー・ギルロイがこのシンデレラガールの彼女の受賞を阻む可能性は十分にある。「ボーン」シリーズの大成功で脚本家としての評価を固めたギルロイは、先日ようやく結末を見たWGAのストライキに積極的に参加。集会に参加してビラを配ったり演説を行ったりと、先頭にたって脚本家の権利を訴えた。今回は監督賞にもノミネートされているが、評価されるとすれば間違いなくこちらの部門。加えてギルロイは今年「ボーン・アルティメイタム」の脚本も手がけており、2作あわせての評価となる。アカデミーが新参の女性脚本家への投票を渋れば、ハリウッドへの貢献度高いギルロイの勝利となるだろう。