[最終受賞予想] 助演男優賞
バルデム磐石、逆転があるとすればホルブルック
ケイシー・アフレック(ジェシー・ジェームズの暗殺)
◎ハヴィエル・バルデム(ノーカントリー)
▲ハル・ホルブルック(Into the Wild)
トム・ウィルキンソン(フィクサー)
フィリップ・シーモア・ホフマン(チャーリー・ウィルソンズ・ウォー)
ここは断然ハヴィエル・バルデムが強い。作品の力もさることながら、バルデム自身が最初から最後まで作品をグイグイ引っ張っており、助演部門にエントリーするのがおかしいくらい。実質主演のバルデムが受賞の大本命だ。
実質主演といえば、「ジェシー・ジェームズの暗殺」のケイシー・アフレックも同じ。共演のブラピがネームバリューで主演クレジットのため、助演扱いとなっている。アフレックは07年、兄貴が監督した「Gone Baby Gone」の主演でも高評価を受けており、昨年もっともブレイクした俳優の1人として記憶されることになりそうだ。ただし、2本あわせての評価でもバルデム逆転は難しい。キャリアは豊富だがまだ若く、オスカー俳優の称号を与えるのは早い。
もし逆転があるとすれば、この部門特有のキャリアリスペクト票がハル・ホルブルックに流れた場合だろう。出演作多数のホルブルックだが、主要映画賞で評価されたことは一度もなかった。エミー賞の常連だった頃からも随分と時間が経っており、これが最大にして最後のチャンスと言えるだけに、会員たちの情が動く可能性がある。