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[Weekend Report] 監督激怒の「Babylon A.D.」がやはり撃沈！

2位の「Babylon A.D.」

「ダークナイト」がV5を達成した直後、今度は「トロピック・サンダー／史上最低の作戦」がV3を達成。V2ですら珍しい米興行でこの推移は非常に稀。とはいえ、「トロピック～」のほうは夏興行を終え、目ぼしいライバルもいない中での記録なのでそれほど褒められることでもない。実際、3週目となる今週の興収はわずか1150万ドル。TOPの数字としてはかなり淋しいものとなっている。ただ、前週比28％減と落ち込みは少なく好調を維持。トータル興収は8300万ドルを突破しており、最低限の目標である1億ドルは問題なくクリアできそうだ。

3390館で封切られるも、わずか970万ドルの興収に終わり、大きく期待を裏切ったのが「Babylon A.D.」。ヴィン・ディーゼル主演のSFアクションで、監督はフランス映画の雄マシュー・カソヴィッツ。配給の20世紀フォックスにしてみれば、当然首位デビューを期待していただろうが、映画ファンの反応は冷たく2位デビューとなった。
この結果は、監督のカソヴィッツが映画の出来に対する不満をブチあげていた時点で予測されたもので、むしろ970万ドル稼げた結果を上々と見る向きもある。カソヴィッツの批判の矛先は、映画を勝手に切り刻んでダメにした20世紀フォックスだったが、こういった形でクリエイターと製作陣がモメたというニュースが流れた場合、興行的には大概悪い結果に終わるもの。カソヴィッツはそれを承知でスタジオ批判を繰り広げたわけで、興行的失敗は避けられないものだったと言える。
主演のヴィン・ディーゼルは一時期こそ次世代のアクション・スターとして持て囃されたものの、作品のチョイスがマズく、今のところ開花しきれていない。次回作は一度捨てたシリーズにカムバックする「ワイルド・スピード」新作となるが、果たして結果を残すことが出来るか。

5位に初登場は、ドン・チードルがFBIの潜入捜査官を演じるスリラー「Traitor」。ガイ・ピアース演じるFBI捜査官がある事件を操作するうちに、チードル扮する潜入捜査官の存在に行き当たるが、彼が敵なのか味方なのかわからなくなり……という二転三転しそうな物語。ドン・チードルのカリスマ性が十二分に発揮されているようで、ファンには楽しみな一作となる。
興行のほうは2054館の封切りで790万ドルの売上げと、お世辞にも褒められた数字ではないが、一応1館あたりのアベレージは、TOP10圏内の中では10位に再登場の「Vicky Cristina Barcelona」に次ぐ数字となっている。

7位に初登場は人気映画をパロディしまくるおバカコメディ「Disaster Movie」。06年の「最‘愛’絶叫計画」（OP興収1900万ドル）、07年の「鉄板英雄伝説」（OP興収1800万ドル）の監督による新作で、今年は年始の「Meet The Spartans」（OP興収1800万ドル）に次いで早くも2本目の作品となる。一様に1800万ドル程度のOP興収をあげている優秀なシリーズだが、年に2本はさすがに飽きられたか、今回の新作はOPでわずか610万ドルしか稼げなかった。バカも安売りするとソンをするということのようで。

限定公開組で注目は、1館のみで封切られ、1万ドルを超える興収をあげた「スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ」。ヴェネチア国際映画祭コンペ部門にも出品された三池崇史監督の一風変わった西部劇だ。アメリカにもミイケファンはたくさんいるようで、なかなかの出足。拡大公開して受け入れられるとは思えないが、一定のファン獲得には成功している。

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