注目のトロント観客賞はダニー・ボイル新作が受賞!
昨年は「イースタン・プロミス」が受賞、「JUNO/ジュノ」が次点に選ばれ、アカデミー賞との直結度の高さを改めて証明したトロント国際映画祭観客賞。トロントの映画ファンの見る目の確かさは定評があり、過去には「アメリカン・ビューティー」「ライフ・イズ・ビューティフル」「グリーン・デスティニー」「ホテル・ルワンダ」などアカデミー賞を沸かせた作品に賞を与えている。
今回、トロントっ子たちが最高賞に選出したのは、「トレインスポッティング」「28日後…」などの代表作があるダニー・ボイルの新作「Slumdog Millionaire」。日本でも御馴染みのクイズ番組“クイズ$ミリオネア”に出演し、見事賞金を勝ち取った少年が、まともに教育を受けていないことを理由に八百長を疑われるという物語。スラムの現実を直視しつつ、信じることの素晴らしさについて語る作品だとボイルは説明している。
イギリス映画だけにアカデミー賞に直結するかどうかは微妙なところだが、大衆に受入れられそうな作品だけにアメリカのBoxOfficeでの成績次第では主要部門ノミネートも夢ではなさそうだ。
次点に選ばれたのは、NBAのスター選手、レヴロン・ジェームズを小学生時代から追い、スター選手に成長するまでをカメラにおさめたドキュメンタリー「More Than A Game」(クリストファー・ベルマン監督)。NBA入りを目指すも挫折する若者を描く「フープ・ドリームス」とは対照的な作品?
次次点には「すべては愛のために」の脚本などで知られるサイラス・ナウレステ監督作「The Stoning of Soraya M.」。イタリアのある町で、1人の男の欲望のために酷い死を余儀なくされる少女の悲劇を描いたベストセラーの映画化。ショーレ・アグダシュルー、ジム・カヴィーゼルらが出演している。
■観客賞(最高賞)
Slumdog Millionaire(監督:ダニー・ボイル)
■次点
More Than A Game(監督:クリストファー・ベルマン)
■次次点
The Stoning of Soraya M.(監督:サイラス・ナウレステ)