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[Weekend Report] 迷子のチワワが驚きの興収で首位をゲット!

迷子のチワワが我が家を目指して大冒険を繰り広げるという、ディズニーお得意のファミリー・コメディー「Beverly Hills Chihuahua」が驚きのオープニングで首位デビューを果たした。3215館の封切りで2900万ドルという数字は、前週トップの「イーグル・アイ」とほぼ同等の成績で、1館あたりのアベレージでは、チワワに軍配が上がるという驚きの結果。改めて、ディズニーのファミリー層へのマーケティングの巧みさを証明する形となった。こうなると、次週以降も息の長い興行が期待できそうで、1億ドルの大台突破も十分に考えられる。新たなヒットシリーズの誕生ということになりそうだ。ドリュー・バリモア、アンディ・ガルシアらが声の出演。ジェイミー・リー・カーティスがチワワの飼い主として出演している。


先週トップの「イーグル・アイ」は落ち込みを39%に抑えて2位をキープ。今週も1770万ドルを稼ぎ、トータル興収を5400万ドルとした。8000万ドルというビッグバジェットをつぎ込んでいる作品だけに、更なる粘り越しを期待したいところだが、最終的な落ち着きどころは1億ドル付近ということになりそうだ。

3位に初登場は、「JUNO/ジュノ」「スーパーバッド/童貞ウォーズ」らで大ブレークしたマイケル・セラ主演の青春ドラマ「Nick and Norah’s Infinite Playlist」。失恋のショックで落ち込むベーシストのニック(マイケル・セラ)と、堅物の優等生ノラ(キャット・デニングス)がふとしたきっかけで恋に落ちていく。2421館の公開で3日間興収1200万ドルと平凡な数字に終わったが、批評家からの評価は上々。セラの評価はさらに上ることになりそうだ。

先週14館の限定公開から、一気に1045館まで劇場数を増やした「Appaloosa」が5位にジャンプアップ。エド・ハリスとヴィゴ・モーテンセンという男っぽい保安官2人の活躍を描く骨太の西部劇で、レニー・ゼルヴィガーが華を添える。不人気ジャンルの映画にもかかわらず、配給のワーナーはキャストのネームバリューに賭けて拡大公開に打って出た。だが、1館あたりのアベレージは5000ドル弱と冴えず、やはり西部劇の興行的な難しさが表れてしまった格好だ。製作費2000万ドルを回収できるかどうかが焦点となる。

9位に初登場は、マイケル・ムーア作品などをパロディーしたコメディー「An American Carol」。監督は「裸の銃を持つ男」や「最終絶叫計画」など数々のパロディームービーを輩出してきたデヴィッド・ザッカー。批評家からさんざんな攻撃にあい、公開前から瀕死状態。興行のほうも1639館の公開でわずか380万ドルしか稼げない大惨敗を喫した。「ゴースト/ニューヨークの幻」で大ヒットを飛ばした弟のジェリー・ザッカーはほぼ休業状態で、かつては栄光を極めたザッカー兄弟のキャリアも終わりに近付きつつあるのかもしれない。

10位に初登場はドキュメンタリー「Religulous」。毒舌で人気のコメディアン、ビル・マーが、近年起こった宗教絡みの事件を考察し、得意のユーモアでバッサリと斬る。502館の公開で350万ドルの興収と、同ジャンル映画としては非常に優秀な成績。今年4月に公開されてTOP10入りを果たした「Expelled: No Intelligence Allowed」との比較でも2倍以上のアベレージを誇る。この分ならドキュメンタリー映画として史上トップ10入りを果たすことも可能だ。(ちなみに10位は「フープ・ドリームス」で780万ドル)

そして今週は3本の残念な新作がTOP10圏外に初登場。最上位は11位の「Flash of Genius」で、グレッグ・キニアが車のワイパーを発明した男の半生を演じる。前評判は上々だったが、批評・興行ともに冴えない結果に。
12位には、「シティ・オブ・ゴッド」「ナイロビの蜂」のフェルナンド・メイレレス監督最新作「ブラインドネス」がランクイン。1690館の公開で200万ドルの興収ではあまりに淋しい結果。メイレレス監督作には好意的なはずの批評家もこぞって厳しいレビューを寄せるなど、監督によっては初めてといっていい挫折といえそう。アカデミー賞戦線での活躍の目は潰えた。
そして今週もっとも悲惨な成績となってしまったのが、1750館で封切られながら、わずか140万ドルしか稼げなかった「How to Lose Friends and Alienate People」。「ホット・ファズ」が日本でもヒット中のサイモン・ペッグ主演コメディーだが、驚くほど全米のファンに相手にされなかった。ペッグのキャリアにも大きなダメージを与えそうだ。

逆にすばらしい成績を上げたのが、9館で限定公開されたジョナサン・デミ監督最新作「Rachel Getting Married」。1館あたりのアベレージが3万ドル超という好成績で、批評家からも絶賛を浴びている。一躍オスカーレースのフロントランナーに上り詰めた感あり、今後のBUZZの推移が気になるところだ。ヴェネチア国際映画祭にも出品され、無冠に終わったものの現地での評価は非常に高かった。主演のアン・ハサウェイ、久々の映画出演となるデブラ・ウィンガーにもオスカーチャンスがありそうだ。

TW LW Title 配給 Weekend 劇場数 Total
1
N
Beverly Hills Chihuahua
BV
$29,000,000
3,215
$29,000,000
1
2
1
イーグル・アイ
P/DW
$17,700,000
3,516
$54,605,000
2
3
N
Nick and Norah’s Infinite Playlist
Sony
$12,000,000
2,421
$12,000,000
1
4
2
最後の初恋
WB
$7,355,000
2,702
$25,075,000
2
5
37
Appaloosa
WB (NL)
$5,015,000
1,045
$5,570,000
3
6
3
Lakeview Terrace
SGem
$4,500,000
2,574
$32,140,000
3
7
5
Burn After Reading
Focus
$4,083,000
2,397
$51,641,000
4
8
4
Fireproof
Gold.
$4,069,000
852
$12,491,000
2
9
N
An American Carol
Viv.
$3,810,000
1,639
$3,810,000
1
10
N
Religulous
LGF
$3,500,000
502
$3,519,000
1

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