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[Weekend Report] ヴァンパイア・ムービー「トワイライト／初恋」が大爆発！

クリスマス興行前の比較的客足が落ちる11月のBoxOfficeにおいて、異例の2週連続ビッグオープニング誕生だ。先週、6700万ドルの興収をあげて首位デビューを飾った「007／慰めの報酬」に続き、何とそれを超える7000万ドルの興収をあげて首位の座を奪ったのが「トワイライト／初恋」。ステファニー・メイヤーのベストセラー小説を、「サーティーン あの頃欲しかった愛のこと」のキャサリン・ハードウィックが映像化したヴァンパイア・ムービーだ。

原作はあの「ハリポタ」シリーズに次ぐ売り上げを誇ると言われる超ヒット小説。現在4作目まで発売されているが、そのいずれもamazonのベストセラー上位にランクするというロングセラーとなっている。ヴァンパイアの青年が人間の少女と恋に落ちるというロマンスもので、主にティーン層を熱狂の渦に巻き込んでおり、その盛り上がりは社会現象化しつつある。配給のサミット・エンターテインメントは、社の命運をかけて本作を自社製作、配給。3700万ドルの製作費を調達して本作を完成させたが、その製作費をたったの1日でほぼ回収する大成功となった。
初日興収の3500万ドルは、今年公開された作品としては「ダークナイト」に次ぐ成績で、「アイアンマン」をわずかに凌いでいる。初日は公開を心待ちにしていたティーンの女性ファンが大挙して押し寄せた格好で、今年4月に公開され爆発的なオープニングを記録した「Hannah Montana/Miley Cyrus」同様、ティーンの持つ興行力を改めて見せ付ける形となった。
ただし、2日目、3日目の落ち込みはさすがに激しく、3日間興収では「アイアンマン」に3000万ドル近く離される結果となっている。やはり客層は限定されそうで、最終的には1億5000万ドルあたりの興収に落ち着きそうだ。

思わぬ伏兵の登場で2週目にして早くも存在感をなくしてしまった「007／慰めの報酬」は、前週比60％ダウンと厳しい興行を強いられている。前作「カジノ・ロワイヤル」の2週目が前週比24％ダウンと落ち込みを最小限に抑える粘り腰の興行を展開していたのに比べると対照的だ。現状で早くもトータル興収1億ドル超えを達成していることから、とりあえずは前作の1億5400万ドルは超えてきそうだが、2億ドル超えは厳しいか。

3位に初登場はディズニーのピクサー印ではないCGアニメ「Bolt」。自分のことを超能力犬と思い込んでいるハリウッド育ちのボルト（声はジョン・トラボルタ）が、移送先のニューヨークから自宅を目指して旅に出る。「チキン・リトル」で大失敗をやらかしたディズニー製（ピクサーじゃない）CGアニメだが、今回の「Bolt」は批評家受けもそこそこよく、最低限のクオリティはクリアできた模様。ピクサーと巨額の契約を結んでいるだけに、しばらくはピクサーにおんぶで抱っこ状態が続くだろうが、脱ピクサーの準備も着々と進んでいるようだ。
ただし興行のほうは3651館の公開で2600万ドルといただけない結果となっている。このジャンルのファミリー層への集客の強さを考えれば、最低でも3500万ドルはクリアしておきたかったところ。このあたりがまだまだピクサーブランドとの埋めることの出来ない差か。

9位には「The Boy in the Striped Pajamas」がランクイン。限定公開から上映館数を一気に406館まで増やしてTOP10圏内に滑り込んだ。ベストセラー小説の映像化で、ナチ政権下を舞台に、ドイツ軍将校の息子と収容所に収監されているユダヤ人少年との友情が描かれる。監督は「ブラス！」「リトル・ヴォイス」のマーク・ハーマン。1館あたりのアベレージは4058ドルと平凡で、これ以上の拡大公開は危険かもしれない。

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