アカデミー賞ノミネーション予想 [主演男優賞]
主演男優賞ノミネーション予想
●ノミネート予想
- ショーン・ペン(ミルク)
- ミッキー・ローク(The Wrestler)
- フランク・ランジェラ(フロスト×ニクソン)
- クリント・イーストウッド(グラン・トリノ)
- リチャード・ジェンキンス(The Visitor)
●逆転を狙う有力コンテンダー
- ブラッド・ピット(ベンジャミン・バトン 数奇な人生)
- レオナルド・ディカプリオ(レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで)
- ベニチオ・デル・トロ(チェ/28歳の革命)
- ジョシュ・ブローリン(W.)
- マイケル・シーン(フロスト×ニクソン)
- マイケル・ファスベンダー(Hunger)
- コリン・ファレル(In Bruges)
有力なコンテンダーが集い、例年以上に接戦となっている今年の主演男優賞部門。前哨戦を一歩リードしたのはショーン・ペン(ミルク)。史上初めてゲイを公言しながら選挙に当選した伝説の人物というオイシすぎる役柄も功を奏してノミネートは確実だ。前哨戦実績2番手のミッキー・ローク(ザ・レスラー)もノミネートは堅い。作品の高評価=ローク熱演の評価とも言うべき絶賛ぶりで、一時低迷したキャリアを見事に再浮上させた。カムバック物語が大好きなアカデミーだけに多くの票を集めそうだ。
リチャード・ニクソン元大統領を演じて高く評価されたフランク・ランジェラ(フロスト×ニクソン)も候補はまず安泰。コワモテの脇役として長くキャリアを積んできた男がようやく正当に評価されようとしている。昨年も「Starting~」で主演男優賞候補を有力視されており、近年の活躍ぶりにはめざましいものがある。
残る2つの席は流動的だ。前哨戦実績からして、ブラッド・ピット(ベンジャミン・バトン/数奇な人生)のノミネートは安泰にも思えるが、何しろアンチも多い大スターだけに票の取りこぼしもありうる。昨年のアンジェリーナ・ジョリーのようなまさかの落選も決してないとは言えない。
ナショナル・ボード・オブ・レビューを制し、幸先よいスタートを切ったクリント・イーストウッド(グラン・トリノ)だったが、その後失速。受賞まである強力コンテンダーと見られていたが、今ではノミネート当落線上という評価が妥当だ。ただし、見事ノミネートなれば、受賞争いにも参加できるポテンシャルがある。
フランク・ランジェラ同様、脇役としての長いキャリアを評価したいリチャード・ジェンキンス(The Visitor)。3年前、シャーリーズ・セロンの父親役を演じた「スタンド・アップ」で助演男優賞候補を有力視されたが惜しくも落選している。前哨戦実績は十分だけに何とか滑り込みたい。本来は助演タイプだけに主演賞部門で票を集められるかどうか。
常連レオナルド・ディカプリオ(レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで)は、新たなタイプの役柄で4度目のノミネートを狙う。見せ場の多い役柄で演技のクオリティも高く、ノミネートされる資格は十分にある。ただし、共演のケイト・ウィンスレットのほうが役柄的にオイシイ部分あり、比べられるとつらい。
カンヌ国際映画祭で男優賞受賞のベニチオ・デル・トロ(チェ)は意外や国内の前哨戦ではからっきしだった。とはいえ、演じた役柄のネームバリューは大きく、票を集めやすい状況にはある。作品の評価がそれほど伸びなかったこと、外国語演技であることがどう影響するか。
他、注目はジョージ・ブッシュ大統領を演じたジョシュ・ブローリン(W.)、ハンガー・ストライキに挑む男を壮絶に演じて話題となったマイケル・ファスベンダー(Hunger)、ゴールデン・グローブ賞サプライズ受賞のコリン・ファレル(In Bruges)など。