[最終受賞予想」 助演女優賞
助演女優賞
○ペネロペ・クルス(それでも恋するバルセロナ) -下馬評◎
ヴィオラ・デイヴィス(ダウト あるカトリック学校で)
◎エイミー・アダムス(ダウト あるカトリック学校で)
マリサ・トメイ(レスラー)
タラジ・P・ヘンソン(ベンジャミン・バトン 数奇な人生)
前哨戦を独走したケイト・ウィンスレット(愛を読むひと)が主演女優部門にノミネートされたことで、二番手を追走していたペネロペ・クルス(それでも恋するバルセロナ)に初受賞のチャンスがめぐってきた。クルスは一昨年の「ボルベール/帰郷」で主演女優賞にノミネートされ、ハリウッド時代の汚名を雪いだ。
本作で受賞なれば再びハリウッドに戻ってくる可能性があるが、映画ファンがそれを望むかどうか。また、クルスは09年のオスカーレースでも上位コンテンダーとして名を連ねることになりそう。ロブ・マーシャル監督のミュージカル「Nine」とペドロ・アルモドヴァル監督の新作が公開予定で、どちらもアカデミー会員のツボを刺激することだろう。そうなると、オスカー授与は来年にお預け……という流れが生まれてもおかしくない。
磐石の本命クルスを逆転するのはヴィオラ・デイヴィス(ダウト あるカトリック学校で)との声がちらほら聞かれるが、デイヴィスの登場シーンは10分に満たず、無名女優にオスカー像を授与するには役が小さすぎる。同じくカメオ出演程度でオスカー像をさらったジュディ・デンチのケースとは明らかに異なる。
同じ「ダウト~」なら、主演級の役柄でメリル・ストリープ、フィリップ・シーモア・ホフマンの両優とやりあったエイミー・アダムスを推したい。くるくると表情の変わる相変わらずの芸達者ぶりで、お堅い映画の中で唯一の清涼剤の役割を果たしている。昨年、「魔法にかけられて」で主演女優賞を有力視されながら落選したことも加え、彼女を評価する動きがあって不思議はない。
結論
ペネロペ・クルス優位は間違いないが、「ダウト~」の2人も差はない。特にエイミー・アダムスはアカデミー会員にも好かれており、ハリウッド時代に汚名を残したクルスから票を奪う可能性は低くない。