[最終受賞予想」 監督賞
監督賞
◎ダニー・ボイル(スラムドッグ$ミリオネア) -下馬評◎
ガス・ヴァン・サント(ミルク)
デヴィッド・フィンチャー(ベンジャミン・バトン 数奇な人生)
ロン・ハワード(フロスト×ニクソン)
○スティーヴン・ダルドリー(愛を読むひと)
主要賞を全て制したダニー・ボイル(スラムドッグ$ミリオネア)の優位は動かない。ボイルはハリウッドでは辛酸を舐めた経験のある人物。インドでの映画製作がずいぶんとお気に入りらしく、ハリウッドの現状をチクリと批判するネガティブ発言も飛び出しているが、前哨戦の結果を見る限り、その影響は皆無に見える。アカデミーは昨年も自らのグループには属してこなかったコーエン兄弟に賞を与えるなど寛容なところを見せており、今回も”アウトサイダー”のボイルにオスカー像を与えることに抵抗はなさそうだ。
ハリウッドでの貢献度で勝るガス・ヴァン・サント(ミルク)が二番手。同性愛を主題とした作品は大きなハンデを背負う現状だが、作品賞を逃した「ブロークバック・マウンテン」も、アン・リーの監督賞は受賞している。サントのネームバリューも手伝ってボイル逆転の可能性も少なからずある。
映像派のイメージが強いデヴィッド・フィンチャー(ベンジャミン・バトン 数奇な人生)、受賞経験のあるロン・ハワード(フロスト×ニクソン)は割引き。一発あるとすれば、ワインスタイン兄弟強力プッシュのスティーヴン・ダルドリー(愛を読むひと)だろう。
結論
不安要素は多いが、実績断然のダニー・ボイルでほぼ間違いなし。ワインスタイン・マジックでスティーヴン・ダルドリーがどこまで善戦するか。