[2009夏興行展望] スター・トレック
■ スター・トレック
監督:J・J・エイブラムス
出演:クリス・パイン、ザッカリー・クイント、サイモン・ペッグ
配給:パラマウント
OP興収予想:8000万ドル
総興収予想:2億1000万ドル
物語:
1966年から放送の始まったオリジナルのTVシリーズを再構築した物語。若き日のカーク船長の姿が描かれる。先日、日本で行われたプレゼンテーションでのJ・J・エイブラムス監督の言葉によれば、「全く新しいストーリーにしよう!というところからスタートした。40年前にジーン・ロッデンベリーが作り上げた精神を汲みつつ、それにインスパイアされた自分たちの映画を作るということ」とのこと。
展望:
映画作り……というよりは、プロモーションの天才J・J・エイブラムスだけに、派手なオープニング成績は約束されている。問題は、これが一過性のブームに終わるのか、それとも新たなサーガとしてシリーズ化できるのか、だ。果たして、熱狂的なファン以外の集客に苦戦して頭打ち状態だった同シリーズを”トレッキー以外のために再構築した”というチャレンジがうまく機能するのか。トレッキーたちを敵に回すようなことがあればこの新シリーズは1作で打ち切りだし、全くの初心者たちにも楽しめる内容に仕上がっていなければそもそも本作のヒットが見込めない。この難題にエイブラムスがどんな答えを出すのか、お手並み拝見だ。
途中から企画に参加した「M:i:III」では、自身が手がけた人気TVドラマ「エイリアス」のセルフパロディかとも思える演出で新味を打ち出すことが出来なかったが、イーサン・ハントを結婚させるというサプライズを用意した。今回の新スター・トレックにも何かしらの驚きが隠されているはずで、その衝撃次第では大化けもある。オープニング興収は7000万ドル以上が確実だが、総興収は読みにくい。2億ドルがまずはノルマとなるが、3億ドル級のポテンシャルもある。1億5000万ドル以下ならファンの期待を裏切った失敗作の烙印を押されることになるだろう。