[受賞最終予想] 長編ドキュメンタリー映画賞
前哨戦をリードしたのは日本のイルカ漁を糾弾する問題作「ザ・コーヴ」。アメリカ製作者組合賞をはじめ多くの賞でドキュメンタリー映画賞を受賞している。日本人にとってはあまりいい気持ちのしない内容ながら、前哨戦実績通りならアッサリ受賞しておかしくない。ただし、そのゲリラ的な撮影手法は物議を醸しており、批判的な見方もある。”動物愛護”というテーマとは裏腹な過激さが敬遠される可能性もありそうだ。
南米に住む少年たちが命の危険を顧みずアメリカへの密入国を試みる様を追った「Which Way Home」にも注目。奇しくも昨春のサンダンス国際映画祭で監督賞受賞など高い評価を得、今夏の日本公開が決まっている「闇の列車、光の旅」と同じモチーフを扱っている。題材自体が注目度高い分、逆転の目もある。
ビルマVJ 消された革命 (監督:アンダース・オステルガルド) 07年にビルマで起きた反政府デモの様子を命を賭して撮り続けたVJ(ビデオ・ジャーナリスト)たちの勇姿を描く。 |
◎ ザ・コーヴ (監督:ルイ・シホヨス) 日本のイルカ漁を糾弾する問題作。撮影許可が下りずゲリラ的に撮影された手法も大きな問題に。 |
Food, Inc. (監督:ロバート・ケナー) アメリカの国産食糧市場の実態を追う。市場を支配する企業によって歪められた食生活が人間を破壊する。 |
The Most Dangerous Man in America: Daniel Ellsberg and the Pentagon Papers (監督:ジュディス・アーリック、リック・ゴールドスミス) ベトナム戦争における政府の陰謀を暴露したダニエル・エルスバーグ博士の勇気ある行動を振り返る。 |
○ Which Way Home (監督:レベッカ・カミサ) 南米に住む少年たちが鉄道の背に身を隠し、アメリカに密入国を試みる姿に密着する。 |