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[受賞最終予想] 主題歌賞

アカデミー賞 記事:2010.02.28

この部門で圧倒的な強さを誇るディズニー・アニメ。今年も「プリンセスと魔法のキス」で2曲を送り込んで万全の布陣だ。ただし、80~90年代に見せ付けてきた強さは、21世紀に入ってすっかり影を潜めている。ディズニー作品がこの部門で受賞したのは2001年の「モンスターズ・インク」が最後で、このときの受賞も半分は14回ノミネートされながら受賞ゼロ(当時)のランディ・ニューマン御大に対する同情票によるものだった。象徴的なのは2年前の「魔法にかけられて」で、黄金時代のオスカー・ゲッター、アラン・メンケンが手がけた3曲の楽曲がノミネートされるも、オスカー像は知名度の低いインディ作品(「ONCE ダブリンの街角で」)の手に渡った。

近年の受賞楽曲もバラエティに富んでいる。昨年はインド映画音楽の巨匠A・R・ラーマンが手がけた「スラムドッグ$ミリオネア」が受賞し、06年は大ベテラン、メリッサ・エストリッジが歌うメッセージ・ソング(「不都合な真実」)が、豪華布陣の「ドリーム・ガールズ」楽曲たちを破る快挙があった。他にもラップあり(05年「ハッスル&フロウ」、02年「8マイル」)、ラテン・ミュージックあり(04年「モーターサイクル・ダイアリーズ」)とジャンルは様々だ。今年もディズニー・ソング2曲のほかに、カントリーやフランス語楽曲、ブロードウェイ・ミュージカルなど個性ある楽曲が揃っており、会員たちは頭を悩ませることになりそう。

データの数は少ないながら、前哨戦をリードしたのは「Crazy Heart」。これを「プリンセスと魔法のキス」の”Almost There”が追う展開だ。前者は若干28歳のライアン・ビンガムが手がけたカントリーソング(大物プロデューサーとの連名だが、おそらくオリジナルはビンガムの手によるものだろう)。先に行われたグラミー賞では同じくカントリーの歌姫テイラー・スウィフトが脚光を浴びるなど、今カントリーは全米でもっとも熱いジャンルと言える。流行りに乗ることも厭わず(ラップ称賛)、畑違いの新人も歓迎(ONCE)する懐の深い(単純な?)アカデミーだけに、アッサリ「Crazy Heart」が受賞するのでは。今年は授賞式で主題歌のパフォーマンスがカットされるようで、28歳ビンガムが歌う姿が見られないのは実に残念だ。

pic ランディ・ニューマン
“Almost There”(プリンセスと魔法のキス)

オスカー実績
ノミネート17回・受賞1回
2006年 カーズ(候補)
2001年 モンスターズ・インク(作曲賞候補)
2001年 モンスターズ・インク(受賞)
2000年 ミート・ザ・ペアレンツ(候補)
1999年 トイ・ストーリー2(候補)
1998年 ベイブ/都会へ行く(候補)
1998年 カラー・オブ・ハート(作曲賞候補)
1998年 バグズ・ライフ(作曲賞候補)
1996年 ジャイアント・ピーチ(作曲賞候補)
1995年 トイ・ストーリー(候補)
1995年 トイ・ストーリー(作曲賞候補)
1994年 ザ・ペーパー(候補)
1990年 わが心のボルチモア(作曲賞候補)
1989年 バックマン家の人々(候補)
1984年 ナチュラル(作曲賞候補)
1981年 ラグタイム(作曲賞候補)
1981年 ラグタイム(候補)

pic ランディ・ニューマン
“Down in New Orleans”(プリンセスと魔法のキス)

オスカー実績
ノミネート17回・受賞1回

pic ラインハルト・ワグナー、フランク・トーマス
“Loin de Paname”(幸せはシャンソニア劇場から)

オスカー実績
ノミネート0回・受賞0回

pic ○ マウリー・イェストン
“Take It All”(NINE)

オスカー実績
ノミネート0回・受賞0回

pic ◎ ライアン・ビンガム、Tボーン・バーネット
“The Weary Kind”(Crazy Heart)

オスカー実績
ノミネート1回・受賞0回
2003年 コールド・マウンテン(候補)

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