[受賞最終予想] 脚色賞
候補者全員が初ノミニー(ジェイソン・ライトマンのみ監督賞候補経験あり)というフレッシュな顔ぶれが揃った今年の脚色賞部門。ただし、残念ながら鉄板の大本命が存在するため、他4作品の候補者たちは自分の名前が発表される緊張感を味わう楽しみがなさそうだ。
前哨戦をほぼ総なめした「マイレージ、マイライフ」の受賞は揺るがない。対象はジェイソン・ライトマンとシェルドン・ターナーの2人だが、実は彼らが共同で脚本を書いたということではないらしい。作家のウォルター・カーンが書いた原作を先に脚色したのがシェルドン・ターナーで、その脚本を”参考程度に”読んで一から書き直したのがライトマンということのようだ。ライトマンはターナー脚本の一部台詞を引用したことは認めているものの、他は全て自分のオリジナルであることを主張している。こうした事情から、受賞スピーチで壇上に上がった2人がガッチリ肩を抱き合う光景は見られそうもない。
受賞のチャンスは限りなく低いものの、ニック・ホーンビィの名前があることは嬉しい事実。「ハイ・フィデリティ」「ぼくのプレミアライフ」などで知られるイギリス人作家の彼は、今回手がけた「17歳の肖像」が実は初の映画脚本となる。自身の作品ですら脚色してこなかったホーンビィが他人の原作本を脚色することになった経緯は簡単なもので、実はリン・ハーバーの手による原作を自分で発掘し、独立系映画のプロデューサーをしている奥さんに「自分が脚本を書くから」と売り込んだそうだ。これからもっと映画脚本にも取り組んでほしいものだ。
ニール・ブロムカンプ、テリー・タッチェル(第9地区) オスカー実績 ノミネート0回・受賞0回 |
ニック・ホーンビィ(17歳の肖像) オスカー実績 ノミネート0回・受賞0回 |
ジェシー・アームストロング、サイモン・ブラックウェル、アーマンド・ラヌッチ、トニー・ローチェ(In the Loop) オスカー実績 ノミネート0回・受賞0回 |
ジェフリー・フレッチャー(プレシャス) オスカー実績 ノミネート0回・受賞0回 |
◎ ジェイソン・ライトマン、シェルドン・ターナー(マイレージ、マイライフ) オスカー実績 ノミネート0回・受賞0回 |