[受賞最終予想] 主演女優賞
今年の演技部門はそれぞれに大本命がいて予想という点では面白みがないが、唯一紛れがあるとすればこの部門だ。
まず前哨戦でスタートダッシュを見せたのは、前評判の高かったキャリー・マリガン。だが、そのリードはすぐに大御所メリル・ストリープによって逆転される。中盤戦の批評家賞はほぼ全てストリープがかっさらうという圧勝劇。ついに「ソフィーの選択」以来27年ぶりのオスカー像受賞が見えてきたかと思われた。しかし、終盤戦に入ってまさかの伏兵が現れる。それまで全く名前が挙がっていなかったサンドラ・ブロックがゴールデングローブ賞でストリープとタイ受賞を果たし、いきなり強力なライバルとして頭角を現したのだ。その後は完全に勢いが逆転、ブロックは組合賞でついにストリープを下して単独受賞を果たし、堂々のフロントランナーに躍り出た。
ただ、ブロックには不安材料も多い。まず根本的に、今回のノミネートは演技自体よりも、ブロックの業界への貢献度に対する評価という意味合いが強い。純粋に演技だけを判断基準とした場合、評価を下げられる可能性がある。また、ブロックはオスカーナイト前日に発表されるラジー賞で主演女優賞を受賞。ラジー賞女優にオスカー像を授与…ではアカデミーとしても格好がつかない。
ではブロックを逆転するのは誰なのか?普通に考えればストリープだろうが、ここは少しひねってキャリー・マリガンを推してみたい。この部門は近年富に若手美人女優を評価する傾向にあり、一昨年も前哨戦をリードしたジュリー・クリスティを、フランスの美人女優マリオン・コティヤールが逆転している。将来性豊かな24歳のイギリス人女優には、アカデミーの寵愛を受ける資格がある。
◎ キャリー・マリガン(17歳の肖像) オスカー実績 ノミネート0回・受賞0回 |
メリル・ストリープ(ジュリー&ジュリア) オスカー実績 ノミネート15回・受賞2回 2008年 ダウト ~あるカトリック学校で~(主演女優賞候補) 2006年 プラダを着た悪魔(主演女優賞候補) 2002年 アダプテーション(助演女優賞候補) 1999年 ミュージック・オブ・ハート(主演女優賞候補) 1998年 母の眠り(主演女優賞候補) 1995年 マディソン郡の橋(主演女優賞候補) 1990年 ハリウッドにくちづけ(主演女優賞候補) 1988年 A CRY IN THE DARK(主演女優賞候補) 1987年 黄昏に燃えて(主演女優賞候補) 1985年 愛と哀しみの果て(主演女優賞候補) 1983年 シルクウッド(主演女優賞候補) 1982年 ソフィーの選択(主演女優賞候補) 1981年 フランス軍中尉の女(主演女優賞候補) 1979年 クレイマー、クレイマー(助演女優賞候補) 1978年 ディア・ハンター(助演女優賞候補) |
ガボーレイ・シディベ(プレシャス) オスカー実績 ノミネート0回・受賞0回 |
○ サンドラ・ブロック(しあわせの隠れ場所) オスカー実績 ノミネート0回・受賞0回 |
ヘレン・ミレン(The Last Station) オスカー実績 ノミネート3回・受賞1回 2006年 クィーン(主演女優賞受賞) 2001年 ゴスフォード・パーク(助演女優賞候補) 1994年 英国万歳!(助演女優賞候補) |