2010年全米サマーシーズン興行完全プレビュー&興行予想!
「アイアンマン2」が華々しい幕開けを宣言してくれそうな今年のサマーシーズン興行。今年も話題作豊富で毎週のように大作が封切られるが、やはり1つ大きなキーワードになりそうなのが”3D”だろう。今年の夏興行で3D映画を大きく謳っているのは、CGアニメの続編2本、「シュレック・フォーエバー」と「トイ・ストーリー3」。どちらも地力で2億ドル以上を稼ぐポテンシャルがあるが、3D景気で更なる上積みが期待できるだろう。特に「2」で4億ドル超というCGアニメとして最高のヒット実績を持つ「シュレック~」はこの夏の覇者を狙うフロントランナー。ドリームワークスとしては、この看板シリーズ最新作で、先を行くピクサーに一矢報いたいところだ。
アイアンマン2 |
ロビン・フッド |
シュレック・フォーエバー |
特攻野郎Aチーム:THE MOVIE |
トイ・ストーリー3 |
魔法使いの弟子 |
インセプション |
ソルト |
Dinner for Schmucks |
エクスペンダブルズ |
3D化すれば4億ドルも夢ではない「アイアンマン2」も首位候補の一角。アーリーレビューでは「1」ほど出来がよくないらしいが、それえもビッグオープニングは確実視されており、興収では「1」超えも十分だ。「トワイライト」シリーズ最新作となる「Eclipse」もオープニングだけならこの夏最大級の数字を叩き出しそうで、総興収3億ドル突破も期待される。
予想が難しいのが「インセプション」。「ダークナイト」を5億ドル超のメガヒットに導いたクリストファー・ノーラン監督の最新作ということで、この夏最大の話題作には違いないのだが、いまだ物語の全容は明らかにされず、予告編から想像する範囲ではかなり一般受けの難しそうな内容。それでも圧倒的なイマジネーションの世界が市場を席捲すると見て2億ドル超のヒットを予想するが、難度高い物語展開に終始するようなら1億ドルに届かない大コケになる可能性もある。
他、個人的に期待したいのはフランス映画「奇人たちの晩餐会」をジェイ・ローチがリメイクする「Dinner for Schmucks」。サマーシーズンにコメディー映画が2億ドル超のヒットというのもあまり記憶にないが、それを期待したくなる企画だ。また、確実にヒットしないだろうが、エドガー・ライト監督の新作「Scott Pilgrim vs. The World」にも期待したい。この映画をサマーシーズンに拡大公開するという暴挙に出るユニバーサルには拍手を送りたい。
この夏のボム候補はシャマラン監督新作「エアベンダー」と、トム&キャメロン新作「ナイト&デイ」。後者は名手ジェームズ・マンゴールドの手腕次第では上昇の余地あるが、前者がヒットするイメージはどうしても沸いてこない。この作品でもダメなようだとシャマランのキャリアもいよいよ危ないが、どんな結果が待ち受けているか―。