【全米ボックスオフィス 2010年8/27~8/29】 悪魔祓いのモキュメンタリーと新感覚クライム映画が揃ってヒット!
悪魔祓いの儀式の様子を撮影したドキュメンタリー……に見せかけたフィクション・ホラー「The Last Exorcism」がライオンズゲートの配給で公開。言うまでもなく、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」、「パラノーマル・アクティビティ」の成功を受けた商流で、”本物こそ恐ろしい”というコンセプトのもと、リアルをでっちあげようという映画だ。(ちなみに本作のプロデュースを担当したのは、「ホステル」シリーズの監督にして、「イングロリアス・バスターズ」でナチをバットで撲殺する”ユダヤの熊”を演じたイーライ・ロス)
今のところ、この疑似ドキュメンタリーは映画ファンには大いに受け入れられている様子で、三番煎じとなる今回の映画も、2874館の公開でオープニング興収2130万ドルとヒットスタートをきった。ただし、初日興収が940万ドルだったのに対し、土曜が710万ドル、日曜が480万ドルと大きく数字を下げており、あからさまに興醒めを誘っている節がある。1億ドル突破のブロックバスターとなった先達2本に比べると、インパクトはやや薄いか。ただし、製作費はわずかに180万ドルで、早くも製作費の10倍以上を稼ぎ出している計算。関係者は笑いが止まらないだろう。
今週の真のBoxOffice王者は、2位に初登場の「Takers」だ。2206館の公開で2100万ドルを稼ぐ大ヒットで、1館あたりのアベレージは「The Last Exorcism」を大きく上回っている。「オーシャンズ11」シリーズとも比較されるクライム・アクションで、規模の大きな強盗を専門とする犯罪集団が、彼らを執拗に追う刑事と全面対決を余儀なくされる……というお話。刑事役にマット・ディロン、犯罪集団にポール・ウォーカー、ヘイデン・クリステンセン、歌手のクリス・ブラウン、TIら。「アバター」のネイティリことゾーイ・サルダナも出演。監督のジョン・ラッセンホップは本作が監督デビューという新人で、いきなりの大ヒットで一躍注目の人となった。
ただし、批評家、映画ファンから寄せられた本作に対する評は厳しいものが大半で、サプライズヒットは決して作品のクオリティに導かれてのものではなさそうだ。犯罪集団を形成する黒人の人気歌手や人気ラッパーの存在が、うまいこと黒人観客層を集客したのかもしれない。
今週もう1本の注目は、約8分の未公開映像を含んで再公開された「アバター 特別編」だ。812館で公開されたが、3日間興収は400万ドルと冴えない結果に終わっている。昨年12月の公開からまだ日が浅く、すでにDVD, ブルーレイも発売されている中での劇場再公開ということで、わずか8分あまりの未公開映像では映画館に再び足を運ぶモチベーションには足りなかったようだ。日本でもこの秋に劇場で再公開されるが、IMAXシアターでの公開はなく、全米同様厳しい興行を強いられることになりそうだ。
TW | LW | Title | 配給 | Weekend | 劇場数 | Total | 週 |
1 |
N
|
The Last Exorcism | LGF |
$21,300,000
|
2,874
|
$21,300,000
|
1
|
2 |
N
|
Takers | SGem |
$21,000,000
|
2,206
|
$21,000,000
|
1
|
3 |
1
|
エクスペンダブルズ | LGF |
$9,500,000
|
3,398
|
$82,010,000
|
3
|
4 |
3
|
食べて、祈って、恋をして | Sony |
$7,000,000
|
3,108
|
$60,716,000
|
3
|
5 |
5
|
The Other Guys | Sony |
$6,600,000
|
3,181
|
$99,300,000
|
4
|
6 |
2
|
Vampires Suck | Fox |
$5,300,000
|
3,233
|
$27,912,000
|
2
|
7 |
9
|
インセプション | WB |
$5,105,000
|
2,070
|
$270,749,000
|
7
|
8 |
8
|
Nanny McPhee Returns | Uni. |
$4,743,000
|
2,798
|
$17,020,000
|
2
|
9 |
7
|
The Switch | Mira. |
$4,658,000
|
2,017
|
$16,484,000
|
2
|
10 |
6
|
ピラニア3D | W/Dim. |
$4,308,000
|
2,491
|
$18,272,000
|
2
|