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第83回アカデミー賞授賞式ホストにJ・フランコとA・ハサウェイ!

アカデミー賞 記事:2010.11.30
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第83回アカデミー賞授賞式のホストに、ジェームズ・フランコとアン・ハサウェイが就任したことが発表された。映画ファンを驚かせたこの起用は、どんな経緯で生まれたのか。

ヒュー・ジャックマンの奇跡
アカデミー賞授賞式のホストは、これまでそのほとんどをコメディアン出身の俳優か、TVのトークショーホストが務めてきた。しかし、近年は授賞式の視聴率に歯止めがかからず、協会は抜本的な改革に迫られている。視聴率回復のための命題のひとつが若者層の開拓だ。授賞式の視聴者は年々高齢化しているというデータがあり、協会は数年前からその解決に策を講じてきた。その一環がホストの人選見直しだ。従来のタイプのホストでは若者層の視聴者を取り込めないと判断し、2年前にはコメディとは無縁の俳優ヒュー・ジャックマンを起用し、授賞式自体も豪華絢爛なミュージカル仕立てへと方向転換を図った。結果、これは大当たりで、近年最高のクオリティと視聴率を稼ぎ出した。


この成功に気を良くした協会は、翌年もジャックマンの起用を望んだが断られる。そもそも俳優として売れっ子のジャックマンが、準備期間に3ヶ月近くを要する授賞式ホストを毎年務めるのは無理がある。かつて授賞式ホストとして最高の人気を誇ったビリー・クリスタルも、授賞式ホストは俳優業とは両立出来ない悩みを吐露し、ホストを降板している。

昨年の急造コンビは不発
頼みの綱を失った協会は、ジム・キャリーやジャック・ブラックなどの人気スター擁立を画策するが、失敗に終わる。結局、適任が見つからないまま、2度のホスト経験を持つスティーブ・マーティンに泣きつくわけだが、過去2度の大舞台で十二分にその実力を発揮しきれなかったマーティンをそのままホストに据えることをよしとせず、TVドラマ「30ROCK」で意外なコメディ・センスを発揮してエミー賞受賞の栄誉に授かっていたアレック・ボールドウィンとのダブルホストを画策。2人はちょうど新作「恋するベーカリー」で共演したばかりで息もピッタリ。2人にとっても作品の宣伝になるから断る理由はない。そんなわけで、協会としてはファーストチョイスでもセカンドチョイスでもない急造のホストコンビが誕生。2人は卒なくホスト役を務めるが、前年のジャックマンが残した鮮烈な印象の陰に隠れた。

驚くべき人選
そして今回。協会としてもコメディアンに頼るつもりはさらさらなかっただろう。若手の起用も高いプライオリティで検討されていたはずだ。それでもジェームズ・フランコとアン・ハサウェイのダブルホストには驚いた。

まず2人には大舞台でのホスト経験がほとんどない。TVのサタデー・ナイト・ライブではともにホストの経験があるが、規模もプレッシャーも比ではないだろう。ジャックマンでさえトニー賞授賞式でのホスト経験があったが、2人にとっては初の大役。2人とも史上最年少の授賞式ホストとなるだけに、全世界の注目にさらされる中で極度のプレッシャーに打ち勝つのは並大抵のことではないはずだ。

フランコにとっては不運?
また、特徴的なのは2人とも演技賞部門でのノミネートが有力視されていること。特にフランコは「127 Hours」の熱演でノミネートは当確、受賞も圏内というフロントランナーだ。一方のハサウェイも「Love and Other Drugs」でパーキンソン病患者を演じて主演女優賞部門の有力候補と見なされている(ただしノミネート確率は現時点でそれほど高くない)。2人がノミネートされている部門の発表は、どう進行するのか?フランコは一度客席に座って発表の瞬間を待つ?受賞したらホストではなく一俳優としての顔でスピーチする?落選したら?かつて「グッド・モーニング、ベトナム」で落選したロビン・ウィリアムズが直後にプレゼンターとして壇上に登り、やや青ざめた表情で役をこなしたのが思い出される。ホストのフランコは発表のあとまだたくさん仕事が残っているのに!かつて同じ状況に立たされたウォルター・マッソーは、落選後もホストを務めあげたようだが、まさか協会がこうしたハプニング要素を授賞式活性化の要因として望んでいるとしたら、辟易する。そもそも、もしフランコが受賞したら、話題作りのための票操作さえ疑われかねない。賞レースでは本命コリン・ファースに迫る存在として好位につけているだけに、ホスト役のご褒美受賞…なんていう邪推がさも事実のように語られてしまったら気の毒だ。

ハサウェイは適役?
一方で楽しみな面もある。アン・ハサウェイは2年前の授賞式で、ホストのジャックマンを相手に堂々たるパフォーマンスを披露。さらに「レイチェルの結婚」でアカデミー賞ノミネート歴もあり、協会としては身内くらいの感覚だろう。もともとコメディエンヌとしての才能は誰もが認めるところで、ハサウェイの爛漫な魅力が授賞式を華やかに飾ってくれるシーンは想像しやすい。
フランコもホストとしての腕前は未知数ながら、俳優としての魅力は誰もが認めるところ。ポテンシャルを思えば大成功があって不思議はない。見どころは、ハリウッドきってのこの美男美女が、それぞれどんな役割を演じて楽しませてくれるかだ。恋人同士?ライバル?2人ならどんな役でも演じられるだろう。フレッシュな魅力でこれまでの授賞式では出せなかった色を演出してほしい。

さてこの大胆なホスト人選は吉と出るか凶と出るか-。目指すは近年最高の評価を得ている2年前のヒュー・ジャックマン授賞式だが……。


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