[第83回アカデミー賞ノミネート予想] 作品賞
ソーシャル・ネットワーク |
英国王のスピーチ |
インセプション |
ブラック・スワン |
ザ・ファイター |
トイ・ストーリー3 |
ザ・タウン |
トゥルー・グリット |
127 Hours |
キッズ・オールライト |
PGA(アメリカ製作者組合賞)で大波乱のあった今年の作品賞戦線だが、ひとまず受賞争いの予想はおいておき、ノミネート10枠に入る作品をピックアップする。
前哨戦上位の「ソーシャル・ネットワーク」、「英国王のスピーチ」、「インセプション」、「ブラック・スワン」「ザ・ファイター」「トイ・ストーリー3」まではほぼ当確と見ていいだろう。残る4作品も、5作品の有力候補の中から選ばれるとみていい。
中でも、興業的に成功をおさめた「ザ・タウン」、「トゥルー・グリット」は有利。昨年も10作品の候補作品中、1億ドル以上の興収をあげた作品が半数の5本を占めた。授賞式の視聴率アップを目論んで候補作品を10枠に増やしたAMPASの狙い上、市場に認知度の高い作品が選ばれるのは願ったり叶ったりだ。今年も2億ドル超の「インセプション」を筆頭に、有力候補は軒並みBoxOfficeで好成績を挙げている。逆にBoxOfficeで受けなかった作品はハンデを背負っていると思っていい。
その点、限定公開に終始し、興行面で出遅れた「127 Hours」、「キッズ・オールライト」、「Winter’s Bone」の3本は厳しい。この3本の中から脱落者が出ることになるだろう。前哨戦実績では、重要3賞全てでノミネートされた「127 Hours」が一歩抜けている。配給はキャンペーン上手なフォックス・サーチライトというのも強みだが、サーチライトは今年「ブラック・スワン」のほうに力を注いでいるフシもあるため何とも判断しづらいところ。とはいえ、視覚的なインパクトに勝る作品で、比較的地味なライバルたちと比べるとやはり優位。実績通りノミネートを受けるだろう。
「キッズ~」はブロードキャスト批評家賞で、「Winter~」はPGA(製作者組合賞)でそれぞれ候補落ちした。「キッズ~」はGG賞受賞という勲章もあるが、例年になく不作のコメディ・ミュージカル部門での栄冠であり、影響力はほとんどない。また、物語の内容が会員保守層に受け入れられていないという見方もあり、苦戦を強いられそうだ。ただし、アネット・ベニングをはじめとするオールスター・キャストの揃った映画であり、会員内の人気は侮れない。
逆に「Winter’s Bone」はPGAを逃したように、仲間内での得票を期待できないのが泣きどころ。近年、こうしたごく小規模なインディペンデント映画がアカデミー賞でも注目され始めてはいるが、総合力で一歩届かずというのが妥当な判断だろう。
管理人の予想
ソーシャル・ネットワーク(コロンビア)
英国王のスピーチ(ワインスタイン・カンパニー)
インセプション(ワーナー・ブラザース)
ブラック・スワン(フォックス・サーチライト)
ザ・ファイター(パラマウント)
トイ・ストーリー3(ディズニー)
ザ・タウン(ワーナー・ブラザース)
127 Hours(フォックス・サーチライト)
トゥルー・グリット(パラマウント)
キッズ・オールライト(フォーカス・フィーチャーズ)
その他の有力コンテンダー
Winter’s Bone(ロードサイド・アトラクションズ)
ブルーバレンタイン(ワインスタイン・カンパニー)
Another Year(ソニー・ピクチャーズ・クラシックス)
The Ghost Writer(サミット・エンターテイメント)
Rabbit Hole(ライオンズゲイト)
シャッター アイランド(パラマウント)
SOMEWHRE(フォーカス・フィーチャーズ)
ヒックとドラゴン(ドリームワークス)
ヒア アフター(ワーナー・ブラザース)
わたしを離さないで(フォックス・サーチライト)