第83回アカデミー賞にノミネートされるべきだった10人(作品)
作品賞:ザ・タウン(ワーナー・ブラザース)
ベン・アフレックの監督賞、脚色賞含め、アカデミーからは完全に無視される結果に。ノミネートが助演男優賞(ジェレミー・レナー)のみというのは過小評価にもほどがある。
監督賞:クリストファー・ノーラン(インセプション)
「ダークナイト」に続くノーラン無視に映画ファンは怒り心頭。映画ファンに広くアピールする狙いで作品賞を10枠まで増やしたが、こうした頭の固さを露呈していては意味がない。
主演男優賞:ロバート・デュヴァル(Get Low)
前哨戦実績上位ながらハヴィエル・バルデムに逆転を許した。原因は作品の知名度の低さと直前のインタビュー記事での同業者批判か。イメージコントロールも大事。
助演男優賞:アンドリュー・ガーフィールド(ソーシャル・ネットワーク)
新スパイダーマンにも選ばれて順風満帆の若造にオスカーノミニーはもったいないと敬遠された?「わたしを離さないで」の熱演も票につながらず。もともと若手に厳しい部門。
助演女優賞:ミラ・クニス(ブラック・スワン)
重要前哨戦3賞全てにノミネートされるも落選。「寝取られ男のラブ・バカンス」の可憐なヒロインだったとは気付かなかった。幅広い役柄演じられるタイプで今後に期待。
脚本賞:M・ヘイマン、A・ハインツ、J・マクローリン(ブラック・スワン)
作品賞も狙う有力コンテンダーが肝の脚本賞でまさかの落選。映像の迫力と役者の演技が強いインパクトを残す心理劇だけに、脚本の功績が過小評価されてしまった感。
編集賞:リー・スミス(インセプション)
作品のクオリティ全体を評価する監督賞と編集賞での無視は、アカデミーの「インセプション」に対する態度をよく表している。あの難しい物語を見事に捌いた編集は賞賛に値する。
外国語映画賞:「告白」
国内でも賛否両論入り乱れた問題作が1次選考を通過したが惜しくも落選。国際映画祭実績豊富な3人の監督作が揃ってノミネートされており、知名度の差で負けた感も。
長編ドキュメンタリー映画賞:「Waiting for ‘Superman’」
前哨戦実績No.1、「不都合な真実」監督作ということで知名度も一番の大本命がまさかの落選。投票母体の少ない部門で、一部の偏った嗜好が反映された、投票システムの悪例。
長編アニメーション映画賞:「怪盗グルーの月泥棒 3D」
業界の傑物が立ち上げた新会社の製作第1弾でBoxOfficeでも大ヒット。アカデミー賞の勲章も手にしたいところだったが、フランスの天才映像派の前に涙。