[受賞予想] 撮影賞-無冠の帝王ロジャー・ディーキンス初戴冠に黄信号
これまで8度ノミネートされながら無冠のロジャー・ディーキンス(トゥルー・グリット)がついにオスカー像を手にするのかに注目が集まる撮影賞部門。しかし、最重要の前哨戦である撮影監督組合賞はウォリー・フィスター(インセプション)が制した。
フィスターも過去3度ノミネートされながら受賞経験がない。いずれもノーラン監督作品での候補で、その技術力を高く評価されてきた。「ダークナイト」ではIMAXカメラを初めてアクション映画に使用。大型カメラを自在に駆使し、従来の映画では実現できなかったダイナミックな描写で観客を熱狂させた。そして今回の「インセプション」でもクリストファー・ノーランの大胆にして緻密なイマジネーションを見事に具現化。フィスターの技がなければ不可能な映像化だけに、大いに評価されていい。
昨年、この部門はほとんどがCGで構成された「アバター」が受賞。芸術よりも技術が重視されることがはっきりと提示された瞬間だった。この流れが続くようだと、芸術家肌の職人ロジャー・ディーキンスの初戴冠は厳しい。
芸術か、技術か。こんな単純な視点でミクロ化してしまうのは間違いだが、受賞を占う上では大きなポイントになる。技術部門総なめも予想される「インセプション」のフィスターが下馬評では有利だが、ここは巨匠ディーキンスの初戴冠を期待して◎。
管理人の予想
◎ロジャー・ディーキンス(トゥルー・グリット)
○ウォリー・フィスター(インセプション)