[受賞予想] 長編ドキュメンタリー映画賞-バンクシー受賞なるか!?
大本命「Waiting for ‘Superman’」がまさかの候補落ちとなり、受賞争いはにわかに混戦模様に。前哨戦実績でリードしたのは、謎のアーティスト・バンクシーが監督した問題作「イグジット・スルー・ザ・ギフト・ショップ」。授賞式にバンクシーがマスク着用で現れるのかどうかが話題となっており、アカデミーにとっては嬉しい話題作りを提供している。ただ、それでバンクシーに賞を与えるかどうかは別の話。何者かもわからぬ輩に神聖なオスカー像を贈呈するほどアカデミーが寛容とは思えず、やはりノミネート止まりと見るのが妥当か。
同じくアーティストの創作活動を追った「ヴィック・ムニーズ ごみアートの奇跡」は、現代芸術家ヴィック・ムニーズがブラジルにある巨大ごみ処理場で働く若者たちと新たなアートを生み出すまでを描くドキュメンタリー。ごみ問題を通して人間のあり方を問う作品で、深刻なテーマをユニークな視点で描いている点が評価された。ここ10年の受賞作品を見ると、そのうち3作品までが環境問題・動物愛護問題を扱っている(「皇帝ペンギン」「不都合な真実」「ザ・コーヴ」)。アカデミー会員にもっとも受けやすいテーマである本作が本命不在の混戦で大逆転劇を演じる可能性は低くない。
管理人の予想
◎ヴィック・ムニーズ ごみアートの奇跡(ルーシー・ウォーカー)
○イグジット・スルー・ザ・ギフト・ショップ(監督:バンクシー)
▲Inside Job(監督:チャールズ・ファーガソン)