ヴェネチア金獅子賞はA・ソクーロフ監督「ファウスト」!
2011年ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門の選考結果が発表され、最高賞となる金獅子賞には、ロシアの巨匠アレクサンドル・ソクーロフ監督の「ファウスト」が選ばれた。ゲーテの同名古典を独自の解釈で大胆に映像化した大作。カンヌ国際映画祭の常連であるソクーロフ(99年「モレク神」で脚本賞受賞)は、ヴェネチア初参戦でいきなりの戴冠となった。
監督賞にあたる銀獅子賞には中国の蔡尚君(「人山人海」)が選ばれた。また、日本から出品の園子温監督「ヒミズ」に出演の染谷将太と二階堂ふみがマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞した。
今年はジョージ・クルーニー監督の「The Ides of March」をはじめ、ジョン・ル・カレ原作のスリラー「Tinker, Tailor, Soldier, Spy」、クローネンバーグ監督「A Dangerous Method」など英語圏の強力なラインナップが揃ったが、いずれも主要賞には絡まなかった。アカデミー賞に絡む結果としては、マイケル・ファスベンダー(Shame)の男優賞受賞くらいか。ファスベンダーは「A Dangerous Method」にも主演しており、アカデミー賞には2作品でのエントリーということになりそうだ。今もっとも旬な俳優だけに、アカデミー賞受賞の期待も十分だ。
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■ 金獅子賞
ファウスト (監督:アレクサンドル・ソクーロフ/ロシア)
■銀獅子賞(監督賞)
蔡尚君(人山人海)
■審査員特別賞
Terraferma(監督:エマヌエーレ・クリアレーゼ/イタリア・フランス)
■男優賞
マイケル・ファスベンダー(Shame)
■女優賞
ディニー・イップ(A Simple Life)
■撮影賞
ロビー・ライアン(Wuthering Heights)
■脚本賞
ヨルゴス・ランティモス、エフティミス・フィリッポウ(Alps)
■マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)
染谷将太、二階堂ふみ