[最重要] トロント国際映画祭を制したのはレバノン映画!
アカデミー賞を占う上で最重要視されるトロント国際映画祭の観客賞が発表。昨年の「英国王のスピーチ」をはじめ、同賞受賞をきっかけに注目され、アカデミー賞を受賞した例は多数(「スラムドッグ$ミリオネア」「アメリカン・ビューティー」)あり、業界関係者からも熱い視線を送られている。
今年、その最重要賞を受賞したのは、レバノン人女優ナディーン・ラバキーが監督・主演したドラマ「Where Do We Go Now?」。戦時下で孤立した村を舞台に、キリスト教徒とイスラム教徒の対立を、女たちがある変わった方法で解決しようとする。トロントで好まれる、グローバルな文化背景を持った作品で、作風も暗すぎず、むしろハートウォーミングに仕上がっているとのこと。アカデミー賞には外国語映画賞部門にレバノン代表としてエントリーしているので、同賞受賞に大きな追い風となりそうだ。
次点に選出された「A Separation」は今春のベルリン国際映画祭で金熊賞、男優賞、女優賞の3賞を独占したイラン映画。こちらもアカデミー賞外国語映画賞にエントリーしているので好敵手となりそうだ。
今年は英語圏作品から多数の話題作が出品されたが、観客賞受賞はならず。アカデミー賞を狙う「The Ides of March」「A Dangerous Method」「マネーボール」「360」「The Artist」「The Descendants」「Shame」らにとっては厳しい結果となったが、おそらく今年はここ数年続いた英語圏作品受賞に対する揺り戻しもあっただろうので、ここでの無冠をそれほど悲観する必要はないだろう。
■観客賞
Where Do We Go Now? (監督:ナディーン・ラバキー)
次点
A Separation (監督:アスガー・ファルハディ)
Starbuck (監督:ケン・スコット)