[アカデミー賞前哨戦] ニューヨーク映画批評家協会賞 発表!
今年の賞レースで口火を切るのは東の老舗ニューヨーク批評家協会賞。アカデミー賞との直結度は決して高くないが、権威ある賞として注目度は高い。
今年、ニューヨークで最も高い評価を得たのは、カンヌ国際映画祭でも絶賛された「The Artist」。下馬評通りアカデミー賞戦線でも主役の座を争うことになりそうだ。「マネーボール」も脚本賞と主演男優賞を受賞して次位の評価。「ツリー・オブ・ライフ」は演技賞の2人が複数作品対象だが、撮影賞も受賞して上位評価となっている。
主演男優賞はブラッド・ピットが受賞。ニューヨークで受賞できたことは大きく、投票母体の大きなブロードキャスト批評家賞やミーハー色の濃いゴールデン・グローブ賞ではより強さを発揮することを思うと、前哨戦レースを席巻する可能性もある。初のオスカー受賞に大きく前進。
主演女優賞のメリル・ストリープはこれで17度目のノミネートはほぼ確実。現在12回連続受賞を逃しているが、ついに82年以来20年ぶり3度目の受賞なるかに注目が集まる。
助演男優賞、助演女優賞は下馬評通りオスカーレースのフロントランナーが顔をそろえた。アルバート・ブルックスは87年の「ブロードキャスト・ニュース」以来のオスカー候補なるか。脚本家としても評価高く、そろそろ正当に評価されていい頃。対抗と目されるクリストファー・プラマー(人生はビギナーズ)に前哨戦でどれだけ差をつけられるか。ジェシカ・チャスティンは有力3作品で合わせ技1本。「ヘルプ/心がつなぐストーリー」でのオスカー候補が有力視されているが、「ツリー・オブ・ライフ」の聖母のような姿も印象強く、評割れの危険も残る。
ニューヨーク映画批評家協会賞
■ 作品賞
★The Artist(監督:ミシェル・アザナヴィシウス)
■ 監督賞
★ミシェル・アザナヴィシウス(The Artist)
■ 主演男優賞
★ブラッド・ピット(マネーボール、ツリー・オブ・ライフ)
■ 主演女優賞
★メリル・ストリープ(The Iron Lady)
■ 助演男優賞
★アルバート・ブルックス(ドライヴ)
■ 助演女優賞
★ジェシカ・チャステイン(ヘルプ/心がつなぐストーリー、Take Shelter、ツリー・オブ・ライフ)
■ 脚本賞
★アーロン・ソーキン、スティーヴン・ザイリアン(マネーボール)
■ 撮影賞
★エマニュエル・ルベツキ(ツリー・オブ・ライフ)
■ 第一回作品賞
★マージン・コール
■ 外国語映画賞
★A Separation(イラン)
■ ドキュメンタリー映画賞
★Cave of Forgotten Dreams
■ 特別賞
★ラウル・ルイス