[受賞予想] 助演女優賞部門の面白いデータ
■ 助演女優賞ノミニー
ベレニス・ベジョ (アーティスト)
ジェシカ・チャステイン (ヘルプ 心がつなぐストーリー)
ジャネット・マクティア (アルバート・ノッブス)
オクタヴィア・スペンサー (ヘルプ 心がつなぐストーリー)
メリッサ・マッカーシー (ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン)
助演女優部門には面白いデータがある。過去10年で同一作品から2人の候補者が出た事例が実に6回もあるのだ。通常、1作品から複数の候補者が出た場合は票割れを懸念されるものだが、最近6回の例はどうだったのだろう。
2010年
◎メリッサ・レオ(ザ・ファイター)
エイミー・アダムス(ザ・ファイター)
2009年
ヴェラ・ファーミガ(マイレージ、マイライフ)
アンナ・ケンドリック(マイレージ、マイライフ)
2008年
エイミー・アダムス(ダウト ~あるカトリック学校で~)
ヴィオラ・デイヴィス(ダウト ~あるカトリック学校で~)
2006年
菊地凛子(バベル)
アドリアナ・バラーザ(バベル)
2002年
◎キャサリン・ゼタ・ジョーンズ(シカゴ)
クイーン・ラティファ(シカゴ)
2001年
ヘレン・ミレン(ゴスフォード・パーク)
マギー・スミス(ゴスフォード・パーク)
受賞率は2/6だが、前哨戦で実績を残した候補は問題なく受賞しており、それほど票割れを不安視する必要はなさそうだ。
今年、2人の候補を送り出した「ヘルプ ~心がつなぐストーリー~」は、どちらの候補も素晴らしい演技で優劣をつけるのが難しい。ただし、前哨戦実績では、物語のキーパーソンとなる黒人メイドを演じたオクタヴィア・スペンサーが大きくリードした。重要賞とされるSAG(俳優組合賞)、GG(ゴールデン・グローブ賞)、BFCA(ブロードキャスト批評家賞)をすべて受賞し、英国アカデミー賞も制したオクタヴィア・スペンサーに死角は見当たらない。ジェシカ・チャステインは今年、対象作のほかにも「ツリー・オブ・ライフ」「テイク・シェルター」の演技も高く評価されているが、3本合わせ技でもスペンサーの牙城を崩せそうにない。
「アーティスト」のベレニス・べジョ、「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」のメリッサ・マッカーシーも映画の魂とも言うべき役柄で見せ場も多いが、スペンサーの勢いを止めるには至らないだろう。
◎ オクタヴィア・スペンサー(ヘルプ ~心がつなぐストーリー~)