[受賞予想] 主題歌賞は1対1の対決も、「ザ・マペッツ」の圧勝か
主題歌賞
“Man or Muppet”(ザ・マペッツ)
“Real in Rio”(ブルー 初めての空へ)
これまでは3~5作品がノミネートされていた同部門だが、今年は2作品のみとさみしい。しかも前哨戦で独走した「ザ・マペッツ」の”Man or Muppet”の勝利は堅く、予想面でも面白みはない。さらに授賞式での歌唱パフォーマンスもないかもしれないという噂で、どうにもアカデミーはこの部門を軽視していると思わざるを得ない。
今年、同部門には39曲が名乗りをあげ、中にはメアリー・J・ブライジが歌う「ヘルプ 心がつなぐストーリー」主題歌や、エルトン・ジョン(Gnomeo and Juliet)、エルビス・コステロ(One Day)など有名シンガーによる歌曲もあったが、アカデミーはそれら全てを選外とした。
もともとはマドンナ(ディック・トレイシー)やブルース・スプリングスティーン(フィラデルフィア)、ボブ・ディラン(ワンダー・ボーイズ)など知名度の高いシンガーの歌曲が受賞しやすい部門だったが、ある時期を境にその傾向はまったく逆転。06年にはビヨンセが歌う「ドリーム・ガールズ」の歌曲3曲がノミネートされるも受賞には至らずという、はっきりとした意思表示があった。
今回受賞間違いなしと言われる「ザ・マペッツ」の主題歌を歌うのは、俳優でミュージシャンでコメディアンのニュージーランド人、ブレット・マッケンジー。「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズにエルフ役として少しだけ出演しているようで、今年12月に公開される「ホビット 思いがけない冒険」にも出演しているようだ。
対する「ブルー 初めての空へ」は、「アイス・エイジ」シリーズのブルースカイ・スタジオ製作によるCGアニメで、日本では残念ながら劇場未公開だった。全米では1億4300万ドルを稼いだヒット作で、興収では「ザ・マペッツ」(8800万ドル)を大きく上回った。
アカデミー賞史上もっとも盛り上がりにかける主題歌賞ということになってしまいそうなのが残念だが、せめて授賞式ではマペットたちによるサポートで少しでも会場を和ませてほしいものだ。
◎ “Man or Muppet”(ザ・マペッツ)